親族の介護を手伝った話①~状況把握と経緯

今回、親族の介護を手伝う機会があり、介護制度や提出書類について、さまざまな知識を得ることができました。

今後の自分のため、そして介護の進め方に悩んでいる誰かの助けになればと思い、せっかくなので学びを記録として残しておこうと思います。

長いのでいくつかに分けてあります。続きものです。

目次

現状の把握

さて、介護を手伝うにしても、まずは状況を把握しないと何も進められません。
親族のご夫婦には時々会うことはあったのだけど、介護について深い話をする機会はなかったので、今回手伝うことが決まって、まずはどのような現状・状態なのかを確認するところから始めました。

介護対象者

70代半ばの老夫婦の旦那さんの方が介護対象者

介護状況の把握

介護の手伝いを依頼されたときの旦那さんの要介護度は「1」。(後に5に変わります)

ご夫婦には長男がいますが、県外で働いており、結婚もしていて子育てが忙しい状況。
長男は年に一度くらいしか帰省しないため、両親への継続的な介護が難しい。
加えて、親子仲があまり良くない…。(客観的に話を聞いた感じですが、長男さんは両親に対して無感情な印象)
ご夫婦は長男を頼りにしているけど、長男としては、母親の判断に全て任せる、という意向。

しかし、奥さんもかなりの高齢者。いわゆる老々介護状態。
加えて障碍者手帳持ちで身体への負担が大きい。
不安も相まって、とてもじゃないが一人で介護を続けるなんて厳しい。

以上の理由から、ご夫婦の自宅にわりかし近い場所(電車で往復1.5時間ほど)に住んでいる僕に手伝って欲しいと懇願された。

旦那さんの状態

2年ほど前から徐々に体が弱ってきて、認知症が発症。
過去に脳梗塞と診断されたり、狭心症で手術もしている。※脳梗塞は手術なし
また、緑内障の症状もある。

◆認知症の度合い

夜中に起きて用を足すときにトイレではなく、別の場所ですることが時々あったり。
病院で簡単な図形を使ったテストをしたけど一問も回答できなかったらしい。
その結果、認知症と診断されたらしいが、先生からはアルツハイマーなどの症状名は言われていないらしい。
(奥さんから聞いた話なので詳細がハッキリしない部分が多い)

◆脳梗塞の度合い

数年前に脳梗塞と診断されるが、入院も手術もなし。処方箋のみの治療。
元々喫煙者だったが、医者に禁煙を促されるものの、守らずに喫煙を続けていた。
ただ、ここ近年で左半身(特に左手)に力が徐々に入らなくなってきたという症状が現れていた。

◆狭心症の度合い

数年前に、胸の痛みが数日間続いたため病院へ行き、狭心症と診断される。その当時は喫煙していた。
診断時にはかなり悪い状態だったらしく、すぐに入院してカテーテル手術をした。
手術後に完全禁煙になった。(喫煙時に胸の痛みが伴ったため)

◆緑内障の度合い

徐々に視界が狭くなってきていて、現在はほとんど見えていない状態と推測。
本人に聞いたわけではないので、どれくらい見えていないのかは不明。
しかし確実に悪くなっているのは見て取れた。好きだった本も読めなくなったり、スマホもいじらなくなったり。
医者からもらった緑内障用の目薬は使わずに、何故かドラッグストアにある普通の目薬を購入して使用していた。これが症状を悪化させた原因だと思われる。

介護の最終目標

在宅介護は負担が大きすぎるため、特別養護老人ホーム(特養)施設に入所させたい。
というのがご家族の意向。

介護の手伝いまでの経緯

実は今年に入ってから一度、ご夫婦の自宅にお邪魔する機会がありました。
そのときは、普通(?)に談笑しながら食事をご馳走になりました。

その時に見た旦那さんの印象は、確かに一気に老けたかなぁという感じ。
でも普通にご飯も食べているし、元々口数は少なかったけど、奥さんとも時々話していた。
ただ、以前よりかは反応が何だか鈍いような感じもしていた。
行動というか、言葉の端々というか・・・。
何となく、「ん?」と思うようなところが多かった。
(最近でいうと、バイデンさんや副総裁に就任した菅さんのような仕草というか動作に近しい感じ)


その後、5月の連休明けから一週間ほど経った頃に、旦那さんが入院したという連絡があった。

原因は不明だが、奥さんが帰宅したら倒れていた(転んでいた?)らしい。
何故転んだのか、本人に聞いても答えが曖昧でよく分からなかったそうだ。

この時にはすでに介護ベッドが導入されていたらしく、推測としては介護ベッドから転げ落ちたのではないだろうかとのことだった。

ここで僕が驚いたのは、介護ベッドが導入されていたということ。

前回自宅にお邪魔したときは、そんな物はなかったし、旦那さんも普通に食事もしていた。
それがたった数ヶ月でそんなことになっているだなんて、という驚き。

話を聞いていくと、4月頃から旦那さんの症状が急速に悪化したらしい。
そして旦那さんの大好物のお酒類を全て処分し、アルコールゼロ生活にしていたとのこと。

お酒類は、以前から禁酒するようにと医者から止められていたけど、旦那さんがそれを守らず毎日飲んでいたそうだ。
体調悪化が進む中、それを見かねた奥さんが一大決心し、お酒類を全部処分
旦那さんの体のことを思ってのことだったが、処分した当日は大層怒られたらしい。

そして5月に入ると、更に体調悪化が進み、歩くことも大変になってきたらしい。
何かを掴まないと歩けない状態になり、左半身の麻痺も徐々に進み、力が入らなくなってきたそうだ。

そんな状態なので、ケアマネジャーの勧めですぐに介護ベッドを導入することになったそうだ。

ケアマネジャーとは?

介護支援専門員のこと。

厚生労働省によると、
要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者とされています。 また、要介護者や要支援者の人が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者とされています。

要は、介護対象者と介護者に対してさまざまなプランを考えてくれて、提案してくれて、それを実行してくれる人です。
介護というのはされる側よりも、する側の方が負担が大きいと実際にその様子を見て思いました。
ましてや、介護をする側が高齢者の場合、多大なる負担がかかるのは間違いないです。
その負担を軽減してくれる人が、ケアマネジャーさんです。

介護に関することなら、基本的にはケアマネジャーさんに聞くのが一番良いです。
僕の場合は、自分で調べないと気が済まない性質なので、調べた上での疑問点や今後の展開などを相談したりしました。

こう言ってはなんですが、高齢の方は自分で調べるってことをしない人が多い傾向なので、そういう人は何でもケアマネジャーさんに聞いて疑問を解決するのが一番の近道だと思います。
そして提案されたケアプラン通りに進めていけば、何も考えずとも介護は進んでいきます。
ただし、必ず「こうしたい」という明確な意志・意見は伝えることが大事だと思います。

今回、介護をする側となった奥さんは、あまりそういうことを自分から伝えられない方だったので、最初はケアマネジャーさんの提案に「はい、はい」と二つ返事をして、訳も分からずにどんどん物事が進んでいく状態でした。

その状態では、今後もずっと自宅で奥さんが旦那さんを介護していくという方向へと進んでいきます。
しかし、それはしかたがないことなのです。ケアマネジャーさんの役割は在宅介護への負担を減らすことなのですから。

それでも良いという考えなら何も言うことはないのですが、ご家族の意向は「早く特別養護老人ホーム(特養)施設に入れたい」という、明確な到達点があったので、僕が初めてケアマネジャーさんにお会いしたときに、ハッキリとその旨を伝えました。
その到達点に向かって、今後のケアプランを考えていただいて、擦り合わせしていきたいと考えています、と。

最初にケアマネジャーさんが話してくれたプランは、長年連れ添った旦那さんと離れるのが辛い、寂しい。だから在宅介護を奥さんが負担を減らしながら頑張っていくという方向で進めていました。
家族の意向と全然違うのは当然です。きちんと明確な意思・意見を伝えていなかったのですから。

そうは言っても、特別養護老人ホーム(特養)を探して入所させるのは家族側の役目であって、ケアマネジャーさんはそこまで手を出してはくれません。あくまで、在宅での介護を支援してくれるだけですのでこの点は注意です。(ただし、アドバイスや相談にはのってくれます)

◆ケアマネジャーの探し方

①住んでいる地域にある地域包括支援センター・ケアプラザ・介護保険課などに連絡し、居宅介護支援事業所のリスト(ハートページという冊子)をもらう。※地域によっては冊子の名前が違うかもしれないです。

②ハートページを見て直接依頼をしてもOK。また、担当地区の地域包括支援センター等に相談をして、自分のニーズに合った居宅介護支援事業所を紹介してもらうことも可能。

少し話が逸れましたが、5月に介護ベッドが搬入されて数日経った頃———。
旦那さんが倒れ、入院したわけです。

後から聞いたところによると、倒れたのは初めてではないそうで、2回目だったそうです。

介護ベッドが搬入されてから、一日の半分を介護ベッドで過ごすことが多くなった旦那さんですが、一応その頃はまだ歩けたそうなので、ベッドの周りを歩いたり、部屋を壁伝いに歩いたりしていたそうです。

最初に倒れたときは、バランスを崩して転んだそうですが、入院することになった2回目の転倒の原因は、上でも書きましたが詳細は分かりません。
ただ、ベッドの下に転がっていたということなので、ベッドから降りようとした際に(?)バランスを崩して転んだのだろうという推測による結論です。

しかし、2回目の転倒後は旦那さんの様子が違ったらしく、奥さん曰く「ずっと痛いと言っていたので救急車を呼んだ」とのこと。

転倒して臀部を打っていたようなのですが、その部分が内出血を起こしていたらしく、緊急手術を行ったそうです。
そしてそこから旦那さんの入院生活が始まります。

手術後、10日間ほど入院した後、今度はリハビリという名目で病院を移転することになりました。

その移転先の病院に、ケアマネジャーさんが来て旦那さんの様子を見て、今後のケアプランを決めるという話が奥さんからあり、不安なので一緒に同席して話を聞いてもらいたいということで、僕も一緒に病院へ伺うことになりました。

ここから介護の手伝いが始まります。

旦那さんの介護経緯のまとめ

① 数年前に認知症と診断される。(他にも病歴あり)

② 区役所に手続きに行ったときに、地域ケアプラザを紹介される。

③ 2022年に、要支援1の介護認定がされる。

④ 自宅に手すりの取り付け、車椅子レンタルをする。

⑤ 2023年に、要介護1の介護認定がされる。

⑥ 2024年に、地域ケアプラザから居宅介護支援事業所を紹介され、ケアマネジャーが付くことになる。

⑦ ケアマネジャーの提案により、5月初旬に介護ベッドを導入する。

⑧ 5月中旬に、旦那さんが倒れて入院、手術する。(臀部の内出血)

⑨ 10日間ほどの入院後、別病院へと移転。(リハビリという名目)

⑩ 旦那さんのお見舞いに行く。

⑪ ケアマネジャーさんと今後の打ち合わせをする。

次回、ケアマネジャーさんとの打ち合わせに続きます!

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