親族の介護を手伝うことになり、現状の把握と経緯を確認。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。
旦那さんが寝たきり状態になって、要介護1から要介護5へと変更。
ケアマネジャーさん、ヘルパーさんたちと協力しながら自宅介護とショートステイを繰り返す。
その間に、特養施設の入所申込をして、施設見学に行ったり、自宅面談したりと打ち合わせを経て、何とか本入所が決定。
契約も終わり、他施設に断りの連絡を入れ、いったんの一区切りを迎えたが、「看取り」に関して問題が発生。
特養入所から約1ヶ月後。
看取りに関することで、施設側と少し揉めてしまう出来事が起きました。
今回はその流れと内容を書きたいと思います。
結論を先に言うと、少し揉めたけど解決はしております。しかし、施設側のずさんな対応が明るみになって、不信感が増したように感じた出来事でした。
本人や家族の意向によって、無理な延命治療を行わず、自然な最期を迎えられるまでの過程を見守ること。
前回の最後にも書きましたが、ほとんどの特養施設には終末期の「看取り」という介護方針があります。
もちろん、強制ではなく、入居者本人と家族の意向が反映されます。

終末期の看取りケアについて
特養入所が決まり、契約を締結しに行った日のこと。
契約書類の中に、終末期の看取りについて事前確認書という用紙がありました。

まだ先のことになるとは思うのですが、当施設にはこのような看取りという介護指針があります。
差し出されたのは、看取りに関しての事前確認書。



ご希望されるご家族様に、精神面でのケアを中心とした終末期ケアを行っています。
例えば、入居者様の容態が急変したときに、施設側でどのような対応をしていくのかを事前にご家族に伺って、できる限りご要望通りの対応をさせていただくことになっています。
なるほど、看取り。
事前に調べていたので、僕も奥さんも既に理解していました。
奥さんの答えは最初から決まっていて、「是非、施設側に看取りをお願いしたい」ということ。
看取りについて事前確認書には第4項目まであって、1つずつ入居者(旦那さん)と家族の意向を確認してチェックを付けていく仕様になっています。そして最後に記入日と家族署名と押印。
旦那さんはもう寝たきり状態で会話もままならない状態なので、家族代表として奥さんが全て記入することになりました。(長男さんはすべて奥さんの意志に任せるスタンス)



看取り、というと身構えてしまいますが、ご家族でよく話し合ってからの記入でも大丈夫ですよ。後から変更もできますし。
とは言われつつも、奥さんの意志は固く決まっている。なので、その場ですぐ記入することになった。
第1項目には、終末期を迎えたい場所はどこかが書いてあった。
施設、自宅、病院の3択。
第2項目には、終末期に積極的な延命を望むかどうかが書いてあった。
延命を受け入れる(入院対応)、緩和ケアを希望したい(施設対応)の2択。
第3項目には、急変時(心停止や呼吸停止)に病院への搬送を希望するかが書いてあった。
希望する場合は家族同乗にて搬送(希望する病院も記入可)、希望しないの2択。
第4項目は、その他希望や要望があれば記入する項目。
以上の4項目でした。
奥さんの答えは決まっているので、ささっと記入をして署名をして押印しました。



記入ありがとうございます。
事前確認書を記入していただいたご家族の方には、看取りカンファレンスを受けていただくことになっております。
え?そうなの?この用紙にチェックして署名したら看取りケアをお願いしますってことではないと?



あくまでこの用紙はご家族の意向を確認するものでして、実際に看取りを行うのは主治医の先生になります。
その為、その先生から看取りに関しての説明を受けていただいて、両者が看取り承諾をしましたよ、という流れになります。
なるほど。面倒なシステムだけどしかたがないか。
その看取りカンファレンスは必ず受けなければいけないのか、どれくらいの時間がかかるものなのか、いつまでに受けないといけないのかを質問しました。



看取りカンファレンスは必ず受けていただくことになっています。
主治医の病院に訪問していただいて、20~30分くらいで終わると思います。
期間はいつでも良いですが、だいたいのご家族さんはギリギリに受ける方が多いです。入居者様の容態が悪くなってからとか・・・。
- 容態が急変しても距離的にすぐに駆け付けられない。
- ギリギリで結局看取りカンファレンスを受けることになるなら早めに受けておきたい。
- 看取りに関しては家族の意向が決まっているし、これから先も意向は変わらない。
- 何度も施設と病院を行ったり来たりするのは、心身に負担がかかるので、するべきことは早めに終わらせたい。
以上のことを相談員さんに伝えました。
奥さんが超絶せっかち人間&心配性&気分屋な性格なので、一度「必ず受けてもらう」という言葉を聞いてしまったら、早急に対応しないと毎日強迫観念的なものに悩まされてしまので気を付けないといけません。



早くに看取りカンファレンスを受けていただくのは問題ないですよ。同じように意向が既に決まっているというご家族もいらっしゃいますので。
ではそのようにスケジュールを決めましょうか。主治医の先生の予定もありますので確認しますね。
ちなみに、いつが良いとかありますか?
こちらの希望日を数日伝える。
それをメモって、相談員さんはスケジュール確認をしに室外へ行ってしまった。



すみません、希望日全て予定が入っていて駄目でした。
駄目なんかい。
しかたないので、先生の空いている日で一番早い日に合わせますと伝えました。
そしてまた、相談員さんはスケジュール確認をしに室外へ行ってしまった。



すみません、今月は無理そうでして、来月でも良いでしょうか。
ただ、来月もまだ日程は確定できないみたいなので、来月に入ったら再度こちらからご連絡いたします。
なんだかフワフワしたやり取りだなあ、と思いつつもどうにもならないので「分かりました」と伝えて連絡がくるのを待つことになりました。
けれど、看取りカンファレンスをする予定日が確保できないなんてことがあるんですかね。
20~30分の説明とはいえ、1ヶ月先の予定が不明だなんてね。
これだと、もしも容態が急変したときにも看取りカンファレンスなんて受けられないのでは?と思ってしまいます。そんなちょっとした不満と不安を覚えつつも、僕らは契約を締結し、施設を後にしました。
看取りカンファレンス日について、少し揉める
1ヶ月後———。
月初も数日過ぎましたが、施設側から看取りカンファレンスについての連絡がありませんでした。
奥さんが「まだ連絡こないね、いつくるんだろう」と言っていましたが、僕も同じ気持ちでした。
きっと、施設側が忙しくて連絡が遅れているんだと思いますと、根拠のないことを言って少し様子を見ることにしました。
しかし、その翌週になっても連絡が一向にきません。
さすがにこれは駄目だろうと、こちらから施設に連絡を入れました。
事情を話すと、相談員Aさんが外出しているようで用件を伝えておきますと言われて、その場は終わりました。
この後、結局連絡がくることはなく、また数日が経ちました。
一体どういうことなの・・・?
ということで、再度こちらから施設に連絡を入れました。
毎回電話に出る人が違うので、毎回事情を説明することになるのが厄介でした。
情報共有とかしてないのでしょうか。



少々お待ちください
そう言われ、しばらく待っていると保留音が消えて、誰かが電話口に出ました。



もしもし、私、特養の〇〇と申します。お世話になっております。
あれ?相談員Aさんじゃない人が出た。



相談員Aは外出中のため、私が対応いたします。看取りカンファレンスの件ですよね?
どのような話になっているのでしょうか。
それはこっちが聞きたい・・・。
しかたなく、再度看取りカンファレンスの流れについて説明する。



なるほど、看取りカンファレンスを早く受けるという話は、相談員Aからあったのですか?
後で必ず受けることになるので、早く受ける分には問題ないということ、月初めに日程の連絡をしてくれるということになっていたこと伝えました。



そもそも、看取りカンファレンスは早めに受けなくても良いんですよ。だいたいのご家族がご入居様の容態が悪くなってからなんです。
旦那さんの容態は、今は悪くないですので急ぐ必要はないと思います。
え!?
でもいつか必ず受けなくてはいけないのですよね!?



はい。必ず受けてもらうものになります。
じゃあ、早く受けても後で受けても同じなのでは?
それにご家族の意向も決まっているんです。何か施設側で不都合があるんですか?
僕は問う。



いえ、不都合とかそういうのはないのですが・・・。
ご家族のご意向がしっかりしているのなら早めに受けても良いのですが、旦那さんはまだお元気ですし、今すぐにと急ぐ必要はないのかと思います。
でも必ず受けなきゃいけないものなんですよね?
家族の意向が、早く看取りカンファレンスを受けたいという希望でも、早く受けることができないということなんですか?



そうなんです、必ず受けなくてはいけないものです。ご家族の意向が決まっているのなら、施設としては蔑ろにはできないのですけど・・・。旦那さんはまだ元気ですので・・・。
奥さんにそれとなく伝えることはできますでしょうか。
それって僕が伝えることなんですか!?
本当は家族の意向があれば、早くに看取りカンファレンスを受けることも可能だけど、嘘をついて、本来看取りカンファレンスというのは、容態が悪化している入居者が対象で、まだ旦那さんは元気なので看取りカンファレンスを受ける対象ではないから、早く看取りカンファレンスを受ける必要はないって施設から言われました、と?



いやいや、嘘をつくのは駄目なんですけど・・・。
何とか奥さんにうまく伝えることができませんか?
頭痛くなってきた。何なのこの人・・・。
というか、話を把握している相談員Aさんと話しがしたいです。
事情を知らない人に対応されても何も話が進まない。というか、情報共有とかしてないのかな。
こんなやりとりを30分ほどしました。
通話料が無駄すぎますね。
◆施設側の意見
・看取りカンファレンスは必ず受けてもらう。
・家族の意向が決まっているなら早く受けてもらうのは可能。
・対象者がまだ元気だからそんなに急いで受けなくても良い。
・施設側では看取りカンファレンスを早急に受けてくださいとは言えない。あくまで家族の意向という形。
・奥さんに、急いで受けなくて良いとうまく伝えてもらえないだろうか。
なんだか矛盾しているような。
結局、話は平行線のまま、今回は看取りカンファレンスが実施できないことをうまく僕が奥さんに説明するという流れになりました。ずっとメダパニをかけられている感じでした。
おかしいだろ、この対応は。
何だか、最終的には僕が話を聞かないクレーマーみたいな対応されたし・・・。
僕が旦那さんと奥さんの直系家族じゃないのに意見を言っているが問題なのか、施設側のミスを誤魔化しているのか、クレーマー扱いだから適当にあしらっているだけなのか。
なんにせよ、きちんとした説明が欲しかったですね。男性職員の話の内容が全く分かりませんでした。
ここで一気に施設に対しての不満が増加したのを覚えています。
結局、奥さんにはまだ旦那さんが元気なので看取りカンファレンスをする対象じゃないという説明をして、まだ看取りカンファレンスは受けれず、当分先になるということを伝えました。
僕も奥さんも全然納得してないですけどね。
施設から看取りカンファレンスについて連絡がくる
頭が痛くなる対応から翌日———。
特養相談員Aさんから電話がありました。



お世話になっております。ご連絡遅れて申し訳ありません。
看取りカンファレンスの件ですが、日程調整ができまして、来週の〇日でも大丈夫でしょうか?
えっ!?
前日のあの男性職員の対応は何だったの・・・?
あー分かった。これはまたあれか。
「いつから看取りカンファレンスが受けられないと錯覚していた?」
ってやつですか?
もう意味わかんない。僕だけ違う世界線にいたのかな。



では、〇日の〇時から主治医の先生の病院へお願いします。
今回はご連絡が遅くなり本当に申し訳ありませんでした。
これ以降、施設で会うこともなく、電話口に出ることもなかったのです。まるで存在が消されたかのように。
考えられるパターンとしては、
①相談員Aさんが退職・異動していたが、引継ぎがうまくいってなかった。
②僕がクレーマーとして認定されて、相談員Aさんと関わらないように配慮された。
なんにせよ、この特養施設内の情報共有ってどうなっているんだろう、と改めて不信感を抱くことになったのです。
もう関わりたくないなあ。でも、関わらないといけないなあ。
次回、「看取りカンファレンスを受けに行く!そして次なる問題発生!」に続きます。


コメントを残す