親族の介護を手伝った話⑭~旦那さんを病院に連れていく

前回までのあらすじ

親族の介護を手伝うことになり、現状の把握と経緯を確認。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。
旦那さんが寝たきり状態になって、要介護1から要介護5へと変更。
ケアマネジャーさん、ヘルパーさんたちと協力しながら自宅介護とショートステイを繰り返す。
その間に、特養施設の入所申込をして、施設見学に行ったり、自宅面談したりと打ち合わせを経て、何とか本入所が決定。
契約も終わり、他施設に断りの連絡を入れ、いったんの一区切りを迎える。
看取りカンファレンスを受け、これでようやく一区切りかと思いきや、今度は旦那さんを病院に連れていくことになった。

介護生活も一段落かと思いきや、次から次へと問題が起きてしまっています。

ということで、今回は旦那さんを病院に連れていった話になります。

目次

旦那さんを病院に連れていく

前回の記事で、旦那さんに下痢症状が出ていて、肛門周辺の皮膚が爛れ(ただれ)ているという連絡が施設の看護師さんからあって、病院に連れて行ってほしいとのことでした。

施設側は、あくまで病院に連れて行ってほしいという提案という形ですが、断るわけにはいきません。強制ではないといいつ半強制です。退路がありません。

病院に連れていくことを承諾した僕と奥さんは、施設側と病院を決めたり、日程調整をしました。

病院は、皮膚科も内科もあるところで、施設から車で15分くらいの所になりました。

当日は、まず最初に施設に行って、預けてある保険証を受け取って、施設の車で病院まで行きます。
自動車なんて持ってないですからね。そういう場合の送迎はしてもらえます。

介護対象者を病院に連れていく場合、必ず家族が同伴するという必須条件があります。

家族が誰か1人でも同伴すれば良いらしいですが、奥さんに頼まれて一緒に行くことになりました。
もし頼まれてなくても同伴はしていましたけど。色々と不安だったので。

介護対象者を病院に連れて行ったときの対応に一苦労

そして病院当日———。

めっちゃ早起きして、施設側から言われた時間通りに施設に到着。

施設窓口にて旦那さんの健康保険証を受け取って、送迎車の準備まで奥さんと少し待機することに。

ほどなくして、旦那さんが運ばれきて、送迎車の準備が出来たとのことで、さっそく車に乗り込みます。

旦那さんは寝たきり状態なので、寝たきり専用の車椅子です。(リクライニング式介助用車椅子というのでしょうか。)
普通の車椅子よりも縦に倍長い感じです。なので小回りが利きません。

旦那さんは車椅子に乗っている状態のまま車に乗り込みます。

そして車に揺られること15分ほど。
目的地である病院に到着しました。

施設の人が送迎してくれるのは、病院の出入口までになります。
そこから先は、全て家族が対応します。

施設の運転手さん

では、病院が終わったら連絡をください。迎えにきますので。

お礼を伝え、僕らは病院内へ。

今回の病院は、看取りカンファレンスをした病院ではなく、それよりか少し大きめの病院でした。人も多かったです。

施設の人

●時半までに病院に着くようにお願いします。そうしたら受付窓口に行って名前を言ってください。

事前に施設の方から言われていた通り、診察受付窓口にまず向かいました。

病院内にいる車椅子の人よりも、旦那さんの車椅子の方が倍長いので、けっこうスペースを取ります。僕が旦那さんを見ていることにして、奥さんに受付に行ってもらいました。

人が行き交う場所なので、人がすれ違う度に邪魔にならないようにうまく車椅子を移動させないといけません。この時点で病院に同伴して正解だったと思いました。これが奥さん1人だったら、旦那さんを放置して受付等をしないといけませんからね。

受付窓口に行った奥さんですが、何やら苦戦している様子。なかなか戻ってきません。しかし僕が旦那さんの元から離れるわけにもいかない。

しかし悩んだ末、ダッシュで奥さんを呼びに行き、こちらに一度来てもらうことにしました。

僕と旦那さんの場所に合流した奥さんに、何を手間取っているか聞いてみたところ、初診なので色々と記入することがあるけども、よく分からないということでした。

ということで、代わりに僕がその記入用紙を見ることに。用紙は3枚綴りになっていて、初めての病院で書くアレでした。問診票ってやつです。

奥さんが特に悩んでいたのは、既往歴や手術歴、現在の症状についてでした。

既往歴は僕には分からないので、奥さんに思い出してもらって書いてもらうしかありません。旦那さんの既往歴は手帳に全部書いてあるらしのですが、今日はそれを持ってきてなかったようです。

以前、旦那さんの病気について聞いたことがあって、いくつか病名を言っていたので、それをざっと書いてもらうことにしました。こんな病気してませんでしたっけ?と。

いつ頃その病気になったのか、いつ手術したのかは僕には分からないので、ざっとで良いと思いますよということで、ざっと書いてもらうことにしました。そうしないと先に進めないので。

現在の症状も、施設の人に聞いた内容を僕が言って、それを記入してもらいました。他にも色々と記入する項目はあったのですが、不明なところは不明にして、分かるところだけ記入しました。

このときに気づいたのですが、奥さんの文章を読む力が低下しているように思いました。
しかしこれが、長い文章が読めない、文章自体を面倒だと思って読みたがらない理解しないという高齢者特有の症状なのか、老化による読解力低下なのか、テンパってただけなのかは分かりません。

記入する場所を間違えたり、違う内容を書いたりしていたので、最終的に僕が代筆することになりました。

そんなこんなで問診票を書き終えて、受付に提出すると今度は待合室へ。人がたくさんいます。

旦那さんの車椅子は長いので、とにかく移動する度に大変です。これは奥さん1人で病院にこなくてほんと良かったと思ってしまいました。

もうこの時点で疲れてしまっていました。

ここでも誤算があって、てっきり受付窓口で名前を言えば、施設から話しが通っているのでそのまま診療できるのかと思っていたけど、全然そうじゃなかったということです。

施設の人がしてくれていたのは、「〇〇さんという人が何時頃に病院に行きます」ということだけ。病院に行ったら、その後は他の患者さんと同じように初回手続きをして、ひたすら呼ばれるまで待機なのです。
まあ、当然といえば当然なんですかね。

旦那さんの診察が始まる

30分ほど待っていると、名前を呼ばれたので診察室に入ります。

診察室に入るのにも、車椅子が大きいから一苦労があります。何とか車椅子を入れて、僕と奥さんも一緒に診察室に入りました。

先生

今日はどうしました?

え。

そうです、ここでも誤算です。

てっきり施設側から説明しているのかと思ったら、何もなかったらしく、僕が一から説明することに。
一番症状に詳しいのは施設の人だろうに、なぜ僕が説明するのやら。

結局、症状を説明するものの、「ということらしいです」という語尾が全てに付くことになりました。それに先生に質問されても、「おそらく~」と答えるしかなかったです。だって事細かな詳細を知っているのは施設の人ですから。

あ、また施設に対してのヘイトが高まった音がしました。

こういうことがありますので、介護対象者に何かあって病院に連れていく準備段階として、施設の看護師さんから詳細を聞きまくっておくことと、紹介状(または症状説明が書かれたもの)を用意してもらった方が良いと思います。

症状説明の後に診察になったわけですが、寝たきりの旦那さんは動けないので、看護師さんと協力しながら旦那さんの体の向きを変えたりしました。

普段、車椅子の操作なんてしないので、位置変更の仕方も分からず、看護師さんも先生も分からずでしたが、何とか探して事なきを得ました。

旦那さんからは「痛い!痛い!痛いって言ってんだろ」と文句を言われますが聞いてる場合じゃありません。診察第一です。


何とか診察が終わると、塗り薬と胃薬を多めに処方してもらいました。

先生

症状としては、肛門周りが赤くなっていて、若干皮膚が爛れ(ただれ)ている状態です。酷くなると穴が開いたりするので気を付けないといけません。
できれば定期的に来院して欲しいですね。酷くなってからだと治るのが厳しいので、酷くなる前に来てくださいね。今回はこの段階で来てもらえて良かったです。

さすがに定期的に来院となると、けっこう厳しいので、「善処します」ということで診察終了。
診察室に入るときと同様に、車椅子を外に出して会計へ。ここでも一苦労。

会計も時間がかかりましたが何とか終わり、お次は処方箋の受け取りです。

今回出された処方箋は薬局で受け取らないといけませんので、薬局に行くわけですが、病院の前にある道路を渡った先に薬局がありました。

車椅子で寝ている旦那さんを連れていくわけにはいかないので、僕が病院内で旦那さんと待機して、薬局へは奥さんに行ってもらいました。

きっと僕が薬局に行ったら、「息子さんですか?」と聞かれるでしょうし、そしたら関係性を説明しないといけなくなりますからね。それに初めて利用する薬局だと、色々と記入しないといけないですし、そういうのは僕が書くわけにいかないので、配偶者である奥さんに受け取りに行ってもらった方が早いのです。(今回の診療時にも先生に息子さんですか?と聞かれました。そして関係性を説明。怪訝な目で見られます。)

しかし、薬局に処方箋を受け取りに行った奥さんですが、なかなか戻ってきません。

こういうときに連絡ができる手段があれば便利なのに、と毎回思ってしまいます。
奥さんは、ケータイスマホを持っていないので電話もLINE等もできないのです。

かと言って、旦那さんの傍を離れるわけにもいきません。薬局で時間がかかるのはしかたがないと思い、ひたすら待ちます。

それから15分ほどすると奥さんが戻ってきました。

でも処方箋は特に持っていませんでした。塗り薬もあったから時間がかかるのかな?と思って聞いてみると、どうやらその薬局は特養施設と連携しているらしく、施設の名前を言ったら、後で薬類は直接施設に届けてくれるそうです。

処方箋代も、施設からの利用料金を一緒に支払うようです。

病院代はその場で支払いだけども、処方箋代は後日施設代と一緒に請求とういうことみたいです。

新しい知識がまた1つ増えました。

というか、そういうことなら施設の人も先に教えておいてくれても良いのにと、また施設に対してヘイトが増えました。

病院から施設に戻ってきて、生じる疑問

診察も終わり、処方箋の受け取りに関しても終わったので、施設に連絡をして迎えにきてもらって施設へと戻ります。

施設に戻って窓口に健康保険証を返却した後に、看護師さんがやってきて色々と聞かれました。そして看護師さんと情報共有をします。
今回の診察結果や今後の治療・対応について、処方箋が後で届くので対応をお願いしたりしました。

そのときに、次回に病院に連れていくようなことがある場合は、紹介状のようなものが欲しいと提案しました。
もしくは症状について、詳細が書かれている何らかの用紙が欲しいということを伝えました。

診察当日に先生に症状を伝えるときもそうですけど、先生に質問をされても答えられないことが特に困ったので。全部推測で話すしかなかったですし。

その件は、承諾してもらえたのできっと次回からは大丈夫でしょう。

というか、それって施設側であらかじめ準備しておいてくれるものなのではないのかという疑問が残ります。今まで他の家族たちからもそういう意見はなかったのだろうか、と気になるところでもあります。

わからない。自分が気にしすぎなのか、他が適当なのか・・・。

奥さんに関しても、旦那さんに対しては何かと雑な対応なので、症状などを細かく覚える気もないですし。
先生との質疑応答をしたのは結局のところ僕で、施設の看護師さんとの情報共有も僕がするしかありませんでした。

そういうことも含めて、今回もし自分がいなかった大変だったんだろうなと思いました。というか、他の家族はどうやってこういうのを対応しているのだろうかという疑問が生じましたね。

はっきり言って、高齢者が対応するには無理があることも多いですし、やっぱり息子さんや娘さんが対応しているのでしょうか。でもそれができない家族だっているはずです。そういう場合は一体どういう対応をしているのでしょうか。

謎が増えつつも、看護師さんとの情報共有を終えた僕らは、旦那さんの部屋に寄ってから帰宅することにしました。

奥さんは先日、旦那さんに布団を届けにきたということで一度きていますが、僕は入所以来に部屋に入りました。奥さんが先日部屋にきたときは「部屋が汚い!」と言っていたのですが、今日はそんなことはなく綺麗でした。先月末に届けたチェスト等もきちんと設置されていましたし。

お昼も過ぎていたので、5分くらい部屋にお邪魔して僕らは施設を後にしました。

帰り道で奥さんが言っていたのですが、今日は部屋が綺麗だったみたいです。それに前回のときよりも旦那さんの顔色が良くなくて元気がなかったと言っていました。

少し気になることを残しつつ、とりあえず今回の病院ミッションは完了です。

帰りに奥さんの自宅に寄らせてもらって休憩をしたのですが、2人ともどっと疲れが出てしまいました。
午前中の4時間の出来事だったのに、こんなに疲労感が出るものなのかと。まあ、慣れないことをしたせいもあると思います。

とりあえず、しばらくは今回もらった処方箋で対応してもらって経過観察です。できれば、症状が悪化しないでこのまま平穏に過ぎてほしいものです。

次回、「長男さんがやってくる」に続きます。

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