日曜といえば買出し。
近所のスーパーへ行っちゃうよ!
一週間分の食材を籠に入れて、いざレジへ!
おっと、なんか創業祭してるよ。
「ポイント貯めて商品券ゲットだぜ!」みたいなキャンペーンしてるみたい。
「現在、創業祭をやっておりまして、●●●カードをお配りしております!お持ちですか!?なければ無料でお作りいたします!」
夕方で混んでるにも関わらず、一人一人のお客さんに聞いている。
偉いね。がんばってるね!
そういえば僕もそのカード持ってなかったな。
せっかくだし貰おうかな。
そしてレジは僕の番。
「いらっしゃいませ~」
ピッピッピッ・・・
「●円になります」
僕はぴったり渡した。
「はい、ちょうどお預かりいたします。ありがとうございました~」
あれ?
キャンペーンのカードは?
もう無くなったのかな?
そして袋に食材をつめる僕。
「現在、創業祭をやっておりまして、●●●カードをお配りしております!お持ちですか!?なければ無料でお作りいたします!」
言っとる。
ちゃんと言っとるよ!
僕だけ・・・スルー!?
あ、ああ!
そうか。そういうことか。あれだ。
そういえばそうだったじゃないか。
今までそんな経験たくさんしてきたじゃないか。
「なかったことにした」ってことか。
いやー、便利だよね。
なかったことにすれば全て解決だもんね。
実際あったことをなかったことにする。
実際いたことをいなかったことにする。
いやー便利だわ。
久しく忘れてたわ。
数年前は騙す、騙されるの毎日だったじゃないか。
最近、平和ボケしちゃってたのかな。
ははは・・・ははは・・・。
「どうしたんですか?大丈夫ですか?」
気がつくとオバチャンが僕にハンカチを差し出していた。
「えっ?えっ?なんですか?」
「いえ、その・・・泣いてらっしゃるから・・・」
「!!」
本当だ。
僕はいつのまにか涙を流していた。
「あ、ははは、違います。これ汗です。目から汗が・・・ははは、大丈夫ですよ。大丈夫ですから・・・」
僕は汗を拭うとすぐにスーパーから出た。
外はもう日が暮れていた。
「日が沈むのが、早くなったな・・・」
あれからもう10年―――。
全て良い思い出にして片付けたじゃないか。
そう、ケリはつけたんだ。
なぜ今になって・・・?
「おっと・・・」
段差に躓きそうになって、体勢を少し崩した。
「こんな段差に躓くなんて・・・どうかしてる。今日は早く帰って飯食べて寝よう」
「あの・・・」
後ろから声をかけられた。
「これ、落としましたよ・・・タマネギ」
「え?ああ、すいません・・・ありがとうございま・・・」
僕は振り返って驚愕した・・・。
あの日々が、頭に流れ込んできた。
「お前・・・は・・・!!」
そして物語は再び、動き出さない・・・!!
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コメント一覧 (2件)
おひさしぶりです。
久々に来たんですが、ここは変わってなくて、嬉しかったです。
いえっ、変わり映えがしないとかっ、
そういう意味じゃなくて、
いつでも、そこにある我が家的な…
オニオンナイト…
思わず、涙しそうになっちゃいました…
がんばっ!!
私のカード貸してあげるからっ!!
ば~むく~へんさん>
移り変わりの激しい世の中、人の心。
そんな中でも不変の心でいきたいと思ってます。
がんばります。