カラオケでの両替え

駅前のカラオケ屋でのこと。
混雑している受付に、中学生か高校生くらいの子がやってきた。

「この156円を6人分に分けてください」

と店員さんに言った。
店員さんは、「!?」という顔をして、「・・・はい」と言う。
156円を6人分にする・・・つまり26円ずつに分けるということだ。
恐らく、割り勘のための両替なのだろうけれども、店員からしたら迷惑な話だ。

「すいません、面倒なこと頼んで・・・」

学生がそう言うと、店員さんは

「はい」

とイライラしながら答えた。
特に学生層が多いカラオケ店では、このようなことが日常茶飯事に起こるのだろうか。
そう思うと、店員さんも大変だなと思った。
確かに、きっちりお金の計算をして、きちんと振り分ける姿勢は大事だと思う。
お金のことはその場で決着をつけ、後に残さない、それは良いことだと思う。
けれど・・・。

その時、突然店員さんが声をあらげた。

「・・・っ!ふざけんな!!」

いきなりの怒声にその場の空気が止まる。

「156円を6人分にしろだと!?26円ずつに分けろって言うのかよ!今、こんなに混雑してる中、そんなことやれっていうのかよ!いくら学生が金ないからって、それくらいの金額あとで自分たちで何とかしろよ!!くそっ!

「Aくん!落ち着いて!お客様の前でしょ

近くにいたもう一人の店員さんが、Aと呼ばれた店員を手で制した。
「なんだなんだ・・・?」と周りに人が集まってきた。
何人かの店員さんもやってきて、Aと呼ばれた店員を連れていく。

「すみませんお客様。今、156円を両替いたしますのでしばらくお待ちください」

「は、はあ・・・」

どよどよとざわめく周囲。

「ちょっと!さっきの店員なんなの!?あれが客に対する態度なの!?このお店、どうなってるの!?ねえ、あなたもあんなこと言われたんだから、なんか言ってやりなさいよ!」

ざわついていた客の中にいた1人が店員に文句を言いい、更に学生さんにも余計なことを言った。
お前、関係ないだろ・・・。ややこしくするなよ。
と思ったのだが、こうなってしまってはなかなか騒ぎに収集がつかなくなってしまうのではないかと心配した。

ここで僕に何かできることなんて・・・ない。
僕がここで茶々を入れても、余計に話が歪んでいくだけだ。
ここは傍観者になって、この場が収まるまで待つしかない。

「156円、両替してもらってきてよ」

きっとそんな何気ない一言から始まったであろう事が、こんなことに発展しようとは思わなかっただろう。
何が起こるか分からない。
カラオケは怖いところだ。

もちろん、途中から妄想です。

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コメント一覧 (2件)

  • 156円を6人分に分割ってwまぁ、学生は金がね、ないからそんなことしちゃうんでしょうかね。
    でも、実際は店員さんもまかないsの妄想どおりなことを思っているんでしょうねww
    てか、途中から妄想だったんですねw普通に『マジかーそんなことがww』って思ってましたよ

  • ユースケさん>
    そうなんです。
    途中から妄想なんです。
    でもきっとある。

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