親族の介護を手伝った話⑦~特別養護老人ホーム入所前の面談をした

前回までのあらすじ

親族の介護を手伝うことになったので、現状の把握と経緯を確認。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。
旦那さんが寝たきり状態になって、要介護1から要介護5へと変更。
ケアマネジャーさんとの打ち合わせを経て、今後のケアプランについて話し合い。
ショートステイが開始されたので、いよいよ特養施設への入所申込みを準備していく。
入所申込書を郵送して、1週間ほどで施設からの連絡がきて施設見学に行くことになった。
見学も終わり、次は自宅にて入所前の面談が始まる。

特養施設の見学を終えて、約3週間後。
施設の方が対象者である旦那さんの自宅に来訪して、面談を行うことになりました。

しかし、面談を行うまでの3週間は待機状態。
他の特養施設からの連絡がなければ、ひたすらに寝たきりの旦那さんを家族が介護しなければいけない状態です。

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目次

ショートステイ先が見つかるまでは自宅介護

季節は夏。8月に突入しました。

施設見学から1週間後には、旦那さんがショートステイから戻ってきており、その後のショートステイ先が決まっていなかった為、自宅介護になっていました。

ヘルパーさんが毎日3回は自宅に来て世話をしてくれるものの、それでも奥さんの負担は大きいです。

他人を自宅に入れることが元々好きではない奥さんにとっては、ヘルパーさんは有難い存在ではありつつも、毎日自宅に人が来訪するという点では精神的なストレスにもなっていました。

ヘルパーさんが来ている間は、全てヘルパーさんに任せても良いのですが、いてもたってもいられないのか、奥さんも一緒に手伝ったりしていました。それもまたストレスになっていました。

旦那さんが寝たきりだと、長時間の外出もできませんし、朝昼夕と1日に3回もヘルパーさんが来るということは、その間も外出はできないので、けっこう窮屈な感じにもなります。

加えて、寝たきりとはいいつつも、ずっと大人しく寝ているわけではありません。

認知症状もあるせいか、声を突然発したり、ベッドの手すりを叩く、自分の頭をひたすら叩く、ベッドから足を出して床を叩く等を1日中、昼も夜も関係なくする為、それも奥さんのストレスになっていました。
大人しいのは眠っている時間だけです。けれど眠る時間は一定ではありません。

しかしこれでも奥さん曰く、以前よりはだいぶ楽になったそうです。

なぜなら、寝たきりになる前は夜中に突然動き回ったり、ベッドの周りを歩き回ったり、トイレと間違えて風呂場やベランダで用を足したりと大変だったようです。

本人に聞いても何も自覚なしというのがまたつらい。
それどころか、自分はボケてない、まだまだ現役だ!と言い放つ始末。

それは寝たきりになった現在でも変わっていません。
自分はまだ動けるんだと話すそうです。

もちろん、奥さんはそれを聞いて呆れています。
全介護をしてもらっていて、感謝もなしにこの状況でよくそんなことが言えるな、と。

入所前の自宅面談

面談当日、この日は僕も同席してほしいということで、奥さんに同席しました。
特養施設からの来訪者は1名。

面談内容

・寝たきりの旦那さんと会話をして簡単な質疑応答ができるか確認。
・寝たきりの旦那さんの身体の様子を確認。(痛む箇所など、実際に触って確認)
・家族に質疑応答。(入所申込書を見ながら)

面談といっても、堅苦しいものではなく、介護対象者とその家族の様子を窺うといった感じです。

家族に対しての質疑応答もいくつかあったのですが、施設見学に行ったときと同じく、入所申込書の内容に沿って話しをして内容の再確認といった感じでした。

他には、今どのように食事を作っているのか、おむつの取り換え具合の頻度、介護生活がどれくらい大変かを介護をしている奥さんに質問していました。

ここでも入所申込書が登場します。

やはり、郵送した最初の段階で、いかに詳細を記載するかが時間短縮に繋がるかを実感しました。

介護対象者の旦那さんとも面談者が会話をして、いくつか質疑応答をしていました。
自分の名前が言えるか、出身地はどこか、誕生日はいつか、血液型は何か、家族の名前は言えるか、今どんな感じか、などです。

面談後は契約書の説明

一通りの面談が終わった後は、契約書についての説明に入ります。

今回は契約書です。本物の。
ただ、今日はまだすぐ書かなくて良いということで、書き方の説明や今後準備するものについて教えてもらえます。
お薬手帳、介護保険証、介護保険負担割合証は、その場で写真撮影だけしていました。

面談よりもこの契約書の説明時間の方が長かったです。
これで2.5時間くらいはかかりました。

契約書なので仕方がないのですが、注意事項がたくさんあり、それを端から全て説明されます。
施設側も、あとから利用者に「そんなこと聞いてない!」とならないように細かく説明してくれます。
有難いことですが、大変です。

奥さんは途中から話しを聞くこと諦めたようで、ほとんど聞いてない様子…。
僕が全部聞いているだろうから大丈夫かぁ…ってコト!?

まあ結局、あとで契約書について奥さんに説明して色々書いてもらわないといけなくなるわけですし…。
直接の血縁者ではない僕には書けない資料なので、奥さんに書いてもらわないといけないですし、しかたないっすね。

介護対象者という存在に対しての考え方

面談と契約書の説明が終わる頃には夕方になっていました。
今日の審査結果は、翌週中に連絡をしてくれるとのことです。

今日もらった契約書などの書類や、入所に必要なものをまとめるために、いったん僕が全部預かって持ち帰ることにしました。家に帰って読み返して、再度色々確認したいなと。

案の定、奥さんは今日の契約についてはほぼ何も聞いていないというか覚えていませんでした。
唯一覚えている点は、特養にかかる費用だけ。

確かに費用面の話は大事だけど、それ以外もきちんと聞いておいてほしかったというのが正直なところです。
だって、僕の夫ではなく、奥さんの夫のことですし。
自分たち夫婦、家族の問題なのだし。

でも、どうやらそれは難しいことらしい。

奥さんにとって、旦那さんは正直どうでも良い存在になってしまっている状態です。
それは旦那さんがこんな寝たきり状態になる以前からなのです。

つまり、「どうでも良い存在」がどうなろうと、どうでも良いのです。
だから契約の話も、奥さんにとってはどうでも良く、特養に入所できるなら過程はどうでも良いのです。

特養に入れる条件が揃う→お金を払う→入所完了。

この3つだけ簡潔に実行できればそれで良いのです。
奥さんの中では、ですけど。

それに奥さんが高齢というのも、一つの要因であると思います。

高齢者特有の、「難しい話をされても私には分からない」スタイル。
そもそも、最初から理解しようとは思っていないのです。

今回は僕が手伝っているけれど、もし僕がいなかったらどうなっていたのだろうか。
それとも僕がいることで、そういう姿勢になってしまっているだけなのだろうか。

と心配してしまうけども、きっとそんな心配も無意味なことなのだろうと思うと、世知辛いですな。

帰ろうとしたら別の施設から連絡がきた

契約資料もカバンにしまって、それじゃあ帰るかなと思ったところで、家の電話が鳴りました。
奥さんが出るものの、何だか慌てている様子。

会話の端々から察するに、どうやら入所申込書に書いた別の希望施設からの連絡のようでした。
すぐに僕が電話を替わることに。

施設の事務員さん

〇〇特養ですけど、入所申込書を拝見しました。
よろしければ、施設の見学にきませんか?

なんと、このタイミングで別の施設からの見学連絡がきたのです。

いったん電話を保留にして、奥さんに見学の件を伝えます。
入所候補の施設は複数あっても問題ないので、奥さんと日程調整をして見学日を決めました。

それに、今日の面談の数日前にケアマネジャーさんから連絡があって、次のショートステイ先が決まっていて、それがちょうど翌週からでした。

以上のことから、来週に見学に行けることを電話口で伝えて電話を切りました。

今日、面談と契約の説明にきた施設をA施設とするならば、今連絡があったのはB施設

このタイミングでB施設から連絡があったということは、旦那さんの介護優先度の点数はかなり上位ということだと思って良さそうです。

つまり、思っていたよりも早く入所先が決まる可能性が高まっているということなのです。


帰りの電車。
リュックに入っている契約書類のことを考えながら揺られる僕。

特養の入所なんて半年先、下手をすれば1年先の可能性もあると当初は考えていたけれど、この感じだともうすぐ決まるのでは?と期待が膨らんでいました。

ゴールはもうすぐ…!?

というわけで、次回「特別養護老人ホームに入所が決まった」に続きます。

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