親族の介護を手伝った話③~ショートステイ開始

前回までのあらすじ

親族の介護を手伝うことになったので、現状の把握と経緯を確認。
介護対象者は老夫婦の旦那さん。要介護1(のちに要介護5に変更されます)
旦那さんが怪我をして入院、手術→寝たきりに。
ケアマネジャーさんとの打ち合わせ。今後のケアプランについて話し合い。
訪問診療、訪問看護をすることになった。
ショートステイも適宜開始。

7月某日。

旦那さんの退院が決まり、無事退院。
自宅まではヘルパーさんの協力の下、車椅子で運んでいただきました。

もう自分の力では動くことができない旦那さんを抱え、車椅子も抱え、数人体制で2階以上に運ぶ。その様子を見て、ヘルパーさんたちには頭があがりませんね。とても大変だと思います。

そしてこれより、自宅での介護生活が始まります。

目次

介護認定の通知がきて要介護認定が変更された

旦那さんが退院する数日前に、奥さんから介護認定の通知がきたと連絡がありました。

ケアマネジャーさんの区分変更のおかげで、思っていたよりも10日ほど早く要介護認定が変更され、新しい要介護認定証が届きました。

ケアマネジャーさんは事前に要介護認定がいくつに変更されたのかの情報を知っていたらしく、奥さんの自宅に電話連絡があって、そこで教えてもらえたそうです。

その連絡の数日後に、正式な認定通知書が郵便で届いたそうです。

その結果、旦那さんは要介護5になりました。

要介護1から要介護5への飛び級。
それだけ症状が急激に悪くなったということを表しています。

そして同時に、要介護5になったことで特養に入所できる条件は満たしたので一安心しました。

もしも、今の旦那さんの状態で要介護3以上にならないのならば、不服申し立て(審査請求)をすることも考えていましたからね。
そりゃそうでしょう。誰かの手を借りないと一人じゃ生活ができなくなった人間を要介護1~2と認定するならば、一体どんな状態の人が要介護3以上になれるのか?ということですし。

その心配は杞憂に終わったので何よりです。
ここから本格的に自宅介護が始まり、特養探しも本格化していくことになります。

初めてのショートステイ先が決まった

実は、旦那さんの退院日前にはショートステイ先が決まっていました。
これもケアマネジャーさんのおかげです。

初めてのショートステイ期間は11日間で、退院日の2日後からさっそく開始となります。

その際、初めての施設ということで奥さんにも同行してもらい、施設からの説明等含めて書類なども記載することになりました。
一人では不安なので一緒にきて欲しいということで、僕も当日にショートステイ先まで同行しました。

旦那さんが退院する前に、今後の自宅介護のために様々な契約を行う必要があったので、ケアマネジャーさんと打ち合わせをした時に決めたとおり、下記3つの契約を行いました。

①訪問介護
②訪問診療
③ショートステイ


契約日に僕はいなかったので、奥さんが全て説明を聞いて一人で契約を行ったのですが、後で話を聞いたら僕も一緒に説明を聞いておくべきだったと後悔。

どうやら、契約当日には自宅に一斉に契約担当者が訪問したらしく、ケアマネジャーさん含めて介護関係者が一堂に集結したようで、大変だったし時間も長かったし怖かったと言っていました。(7人くらい来たらしい)

それに初めてのことで、訳も分からず言われるがままに契約書にサインをしていったと…。
ケアマネジャーさんが仕切っていたらしいので大丈夫だとは思いますが、後から奥さんに話を聞いても全く内容が分かりませんでした。

それだと介護を手伝う自分としては困るので、今後は介護関係者との打ち合わせや契約などの話があった場合は、自分も参加して理解して進めていく必要があると確信しました。

あくまで自分は親族ではあるけども、手伝いというポジションであり、奥さんの実の息子ではないわけです。本来、旦那さんの介護において契約うんぬんなど決め事を進めることができるのは、妻の奥さんと、その息子さんになるわけですし。

そこがまた色々と葛藤があるというか、色々と難しい点ではあります。

さて、話が逸れましたが、初めてのショートステイ当日
施設の人が迎えにくるまで待機です。

数日間宿泊するので、事前に施設からもらった持ち物チェックリストを確認して、奥さんが色々と私物を支度してくれていました。持ち物チェックリストは、施設に着いたら担当者に渡して、チェック確認を行うそうです。

ショートステイ最終日にもチェックをして、来た時と同じ物を返却できるようにしているとのこと。
私物には全て名前を書かないといけない等の決まりがあり、何だか幼稚園や小学校みたいだなと思ってしまったり。


そしてインターホンが鳴り、まずはヘルパーさんが2名やってきました。

施設の人は、あくまで簡単な補助をする程度で、メインは施設までの運搬(運転)なので、家から介護自動車まで運んでくれるのはヘルパーさん達になります。

寝たきりの人を運ぶので二人一組なんだけど、大変なお仕事です。

しばらくヘルパーさんと談笑していると、施設の方から連絡があり、車が到着したとのこと。
さっそく、ヘルパーさん達が旦那さんを運び出し、宿泊荷物を奥さんが持ち、車椅子を僕が持つ。

家から少し離れた場所に車が止めてあったので、そこまで旦那さんを車椅子に乗せて運んでくれました。
車といっても、介護用の車なので大きいです。ハイエースよりも大きい感じ。福祉車両っていうみたいです。

車椅子ごと乗ることができる車です。
※写真はイメージです。

ヘルパーさん達にお礼を言い、旦那さんに続いて僕と奥さんも車に乗り込みます。
そこから20~30分ほどでショートステイ先の施設に到着。
当日は小雨のせいか、道も混雑していて到着まで時間がけっこうかかりました。

ショートステイ先の施設に到着

施設に到着して、施設の方と簡単な挨拶を交わした後、旦那さんがショートステイをする部屋へと案内されました。
施設内も部屋もかなり綺麗でした。部屋には洗面台が付いて、タンスも備え付けられていました

今回はショートステイですが、この施設は元々は特養施設なので、この場所に住んで日常生活を送っている方々もいるわけです。
そういう人たちが生活するには充分に快適な設備と雰囲気でしたね。

部屋に案内され、旦那さんを車椅子からベッドへと移動した後、持ってきた荷物チェックが始まります。
それと、施設についての注意事項なども口頭にて簡単な説明があります。

今回は初めての施設で、初めてのショートステイということで、普段の私生活のことや必要な処方箋やら色々と質疑応答が始まります。要介護者が自宅での生活と変わらぬようにと、できるだけ配慮してもらえます。

けれど自宅みたいに、ずっと付きっきりで介護をするというのは、職員数や介護者数の関係でどうしても完璧にはこなせないという注意事項も説明されます。

そりゃそうですよね。職員の人数に対しての介護者数の比率を考えると仕方がないことです。
介護者数の入所数は施設によって違いはありますが、平均100人ほどのようです。

自宅介護での家族負担が減るのだから、そこは割り切るしかないのです。

付きっきりで面倒を見てもらえなくて文句を言う人がいるかは不明ですが、奥さんは文句を一つも言わずでした。
なぜなら、旦那さんと奥さんはあまり仲が良くないようで、言い方は悪いですが奥さんにとって、旦那さんは「どうでも良い存在」のようです。

少しでも自宅での介護負担が減るのだから、奥さんにとっては心身的にも負担が軽くなるので、旦那さんがショートステイをするだけでも有難いことなのです。

寝たきり状態の人間を四六時中介護するというのは、本当に精神的にも身体的にも悪影響しか及ぼさないと思います。
よく、介護状態の家族を殺害したという事件もありますが、正直なところ、加害者側の気持ちも分からなくはないと介護をした人間は思うでしょう。
それほどのことなのです、介護をするということは。


話が逸れましたが、だいたい30分ほどの説明を受け、施設の方々は部屋を出ていきました。
取り残される奥さんと僕。そしてベッドで寝ている旦那さん。

それから10分くらい経ったのですが、特に何もなく。
この時間って何の時間?となりました。

奥さんが、「そろそろ帰りたいんだけど、もう帰っていいのかしら?」と話すので、この後はどういう流れになるかを職員さんに聞きに行くことにしました。
実際、僕自身も帰っていいなら帰りたかったですし。

部屋は3階だったので1階にある総合受付まで行き、職員さんに聞いてみると、何だかよく分かってない様子。

施設の方

あれ?担当の者から何も聞いてませんか?

と言われたので、特に聞いてないです。と答える。

施設の方

少々お待ちください。確認しますので…

そう言って、中の方へ行ったあと、「すみません、今から担当の者がくるのでお待ちください」と言われたので待機することに。

数分待つと、担当者が現れ、名刺を渡され挨拶がありました。
どうやら、もう手続き関係は全て終わっているので、用事がなければ帰宅しても大丈夫とのこと。

それを最初に言ってくれよーと思うものの、口にも態度にも出しません。

これは余談ですが、この後にいくつかの施設の方とお話をする機会があるのですが、どの施設もそれぞれの役割分担が決まっているようで、その役割以外の話を振ると、担当じゃないので分からないですと一蹴されることが多々ありました。要は担当役割以外のことは言わないし、何もしない。我、関せず状態な感じです。

まあそれはしかたがないとは思うんですけど、こちら側としては、初めて尽くしで何も分からない状態なので、もう少し説明が欲しいなとは思ったりはしました。

とにかく、帰っても良し!ということで、帰ることになったのですが、帰りは来た時のように車は出してもらえないのです。

徒歩かバスかタクシーで帰るしかない。(マイカーはありませんので)
この施設からだと徒歩で帰るのは遠すぎるし、バスに乗るにも地図を調べたらバス停までかなり歩く距離。

さすがに高齢の奥さんにそこまで強いるのは厳しいので、タクシーを呼んでもらってそのまま帰宅しました。(タクシー代は奥さんが出してくれました。わーい)


というわけで、初めてのショートステイが始まりました。
今回は11日間のステイになります。

ショートステイの利用料金は?

気になる利用料金はというと、施設によって若干違うのと、要介護度、年金額、貯金額でけっこう違います。
それは特養の方でも書こうと思いますが、要は所得状況によって金額の差異が大きくて、1日3000円~8000円くらいの値幅があります。

ショートステイ最終日は、初日と同じように自宅まで施設の車で旦那さんを運んできてもらえます。
家の近くまでしか運んでくれないので、そこから自宅のベッドまではヘルパーさんを呼んで運んでもらうことになります。

そういう日程調整などは、ケアマネジャーさんがしてくれるので大変助かります。
基本的には感謝しかないですね。

さて、ショートステイも始まったということで、次は「特養施設に旦那さんを入所させる」という最終目標に向けて動き出さないといけなくなります。
これはケアマネジャーさんはお手伝いはしてくれません。家族側で全部やることになります。

というわけで、次回「特別養護老人ホームの入所申込みをする」に続きます!

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