親族の介護を手伝った話(25)~海洋散骨の申し込みをした。

前回までのあらすじ

親族の介護を手伝うことになって早数ヶ月。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。寝たきり状態で要介護2から要介護5へ。

特養への入所も完了したけど、病院に連れて行ったりとなかなか忙しい日々を過ごす。
そして年末が近づいた頃、旦那さんの訃報連絡があり、施設で看取る。

葬儀も無事終わり葬儀代の支払いも完了。この後は手続き関連がてんこ盛り状態。
まずは区役所と年金事務所へ行って、できる限りの手続きを行った。
その後は、自宅でも手続き可能なものを捌いていった。

そして、遺骨の対応が始まる。

旦那さんの生前の遺言として、唯一奥さんに言っていたことは、「死んだら遺骨は故郷の海へ撒いてくれ」とのことでした。

その遺言を叶えるべく、今回「海洋散骨」という手段を取ることにしました。俗にいう、シーセレモニーってやつですね。

(もしその遺言がなかった場合も、海洋散骨にしていた可能性は高いですが。)

というのも、遺骨を入れるお墓がないのです。

旦那さんの実家はけっこう遠い場所にありまして、とてもじゃないけどそこまで行くことが現在の奥さんでは厳しい状況。

それに奥さんは、旦那さんの故郷とその家族には良い思い出がないらしく、できるだけ行きたくないようです。

そういうことも相まって、海洋散骨をすることに確定しまして、下記のところに申し込みをしました。

申し込みはもちろんメールで。電話嫌いなので。

なんと、当日には返信がきました。日曜日だったのに。はやーい。

目次

散骨の申し込み

申し込んだプラン
  • 代理散骨プラン(おそらく数あるプランの中で一番安い)
  • 散骨の希望日は1~3ヶ月先。
  • 散骨する海エリアは選択できる。(そんなに数は多くないです)

最初の返信メールで、見積り、日程、プラン内容とオプション、手元供養品を決めていきます。

プランはいくつもあったのですが、一番安くて家族への負担が何もかからないプランということで「代理散骨プラン」にしました。

他には、「ファミリー散骨プラン」とか「リゾート散骨プラン」とかいくつもプランがあったのですが、それらはそれ相応の金額だったので、10万円以内で散骨ができるプランだとこの「代理散骨プラン」かなということで、家族の満場一致で決定しました。

代理散骨プランに含まれる基本サービス
  • 散骨セレモニー
  • 献花用花びら
  • 献酒用の日本酒
  • ご遺骨の粉砕
  • 写真サービス
  • 散骨証明書

以上のサービスがもろもろ入って、55,000円でした。(遺骨を一度でもお墓に納めた場合は洗浄・乾燥費用が発生するので、もう少し金額が上がります。)

担当者

ショールームにお越しいただけましたら、カタログをご覧いただきながらご説明させていただきます。
その際ご遺骨をお預かりさせていただくこともできますので、ショールームへお越しいただくこともご検討いただければと存じます。

とあったのですが、場所はどこですか?と質問すると「東京です」との返答だったので、遠くて無理!ってことになりまして、奥さんの自宅まで遺骨を取りにきてもらうことになりました。(日程調整済み)

遺骨を出張引き取りしてもらう場合は、別途費用が発生します。場所によるけど、だいたい30,000円ほど。

ということで、合計85,000円ほどの見積りになりました。

遺骨の出張引き取りと今後の流れ

申し込みから約1ヶ月後———。

担当者さんが奥さんの自宅まで遺骨を引き取りに来ました。(僕も同席)

そのときに申し込み書に記入をして、プラン料金の見積りの確認と同時に散骨費用の支払いも済ませました。

カード払い不可の現金払いのみだったのが僕的にはネックですが、奥さん的には現金払い一択なので何も問題なしです。

明細書も領収証も受け取り、骨壺に入った旦那さんの遺骨を持っていってもらいました。

遺骨引き取り当日に用意したもの
  • 支払い料金(現金のみ)
  • 埋火葬許可書のコピー
  • 申し込み者様身分証のコピー(免許証、保険証、マイナンバーいずれか)

手続きは30分くらいで完了しました。

今後の流れ

◆散骨日について
前日から2~3日くらい前までに当日の出船可否などが伝えられる。(メールにて)
万が一天候や波により出船が出来ない場合は予定時間前に伝えてくれる。
日程調整を行い、決まり次第再度連絡をくれるとのこと。

◆代理散骨当日
実施終了後メールにて写真が送られてきて、1ヶ月以内に奥さんの自宅へ散骨証明書が郵送される。

散骨には1~2ヶ月を目安にしてくださいとのことでした。

散骨完了!

海洋散骨の申し込みから2ヶ月後———。

散骨日を知らせるメールが届きました。きちんと3日前に。

担当者

海峡の状況などにより、実施が困難となった際には改めてご連絡をさせて頂きます。

そして散骨当日になり、当日の夕方頃にまた1通のメールが届きました。

担当者

承っておりました代理のご散骨が無事終了いたしましたことをご報告させていただきます。

散骨の様子の写真は、メール内にURLが添付してあり、そこにアクセスして自身でダウンロードする形式でした。

ダウンロードした写真を後日奥さんに見せて、「これで一安心ね」と御礼の一言をもらいました。

これにて、旦那さんの遺骨の散骨完了です。

今回、散骨を依頼した海洋記念葬シーセレモニーさんは、最初から最後までとても丁寧な対応をしていただきました。控えめに言って、最高です。

まあ、ネックは現金払いってところですね。僕だけの問題かと思いますが。

もしかすると、10万円以下はカード不可とかなのかもしれませんけど分かりません。

遺骨は残すか残さないか

散骨をしたので、奥さんの自宅には旦那さんの遺骨は何も残っていません。

今はミニ骨壺(ペンダント等もあります)というものがあって、そこに遺骨を少し保存することができますよ?と奥さんに提案してみたものの「特に必要なし」とのことなので、旦那さんの遺影だけ自宅に置くことになりました。

昨今、墓じまい問題もありますし、今後は遺骨をどうするかというスタイルも変わってきそうです。

ただでさえお墓の継続には費用がかかります。お墓を建てる土地を買うのも、建てるのも、ぼったくりかよ!ってくらいの費用が必要です。

これからの時代には、「お墓」というものの存在が難しくなっていくのではないかと思います。残された家族のことを思うのなら、お墓はない方が管理も楽だし、費用面も楽だと思います。

毎年お墓参りをするときに、周りのお墓を見てみると長い期間ほったらかしにされているお墓もちらほらあります。

墓地の管理費が払えずに放置されているお墓もあります。

ほったらかしにするくらいなら、自宅に仏壇でも置いて、そこに全て集約する方が断然良いように思います。

死んだら何もできません。大変な思いをするのは、残された家族なのです。

自分が骨になったときに、どうしてほしいのか、どうあるべきなのか。そういう話をあまり昔の人は家族間でしてこなかったかもしれませんが、今は時代も変わりました。

昔は「普通」だったことが、今は「普通」で通すことができなくなってきています。

だからこそ、話し合うべきだし、考えておくべきだと思うようになりました。

———とか色々偉そうなことを言ってみましたが、結局のところは「お金」さえあれば全部丸っと解決できちゃうんですよねこれが。

うーん、世知辛い。

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