近所にラーメン屋が2軒並んでいる。
その1つは「ラーメン二郎」。
もう1つは半年程前にオープンしたばかりのラーメン屋。
異様に腹が減っていた僕は、ここ数年間封印していた二郎を無性に食べたくなった。
でもそれだけじゃ足りないような気がした僕は二郎の隣にあるラーメンも食べてみようと思った。
胃腸が極弱なのにそんな量を食べたら・・・
と考えてしまうが、今は無性にラーメンを食べたい。
何だろうこの食欲。
どこから沸いてくるのだろう。
今の自分は無敵なんじゃないか!?
そう思ってしまいそうなほどの自信に満ち溢れていた。
早速、足を運ぶ。
ラーメン二郎はまだ開店していない。
どうやら12:00からみたいだ。
現在まだ11:30、時間がある。
幸い、並び客もいない。
「よし、隣のラーメン屋で1杯食べておこう」
オープンして半年の店に初めて入る。
店内に客は数組。
それほど繁盛しているようには見えない。
でも開店したばかりなので、綺麗だ。
メニューを見ると、どうやらここの目玉ラーメンは2つあるらしい。
1杯だけにするつもりだったが、僕はこのラーメンを2つ注文する。
そう、今の僕は無敵(自称)。きっといけるはずだ。
さて、どんなラーメンが出てくるか。
厨房ではまだ慣れていないのか、何だかごたごたしている。
新人さんかな?
大変そうだけどがんばってほしい。
でもできるなら、新人じゃない人に作って欲しい。
しばらくすると、「お待たせしました」と店員がラーメンを運んできた。
まず、出てきたのは醤油ラーメン。
量の少ない細麺と、海老、ネギが入っている。
何だかすごいトッピングだな・・・。
これが第一印象。
とりあえず口に運ぶ。
うーん・・・味が薄いような・・・何だか物足りないような・・・。
麺が少ないからすぐ食べ終わってしまいそうだ。
そんなことを思っていると、隣のテーブルに座っていた2人の話し声が聞こえた。
「思ったよりも繁盛していないな・・・」
「今日の午後の様子を見て、閉店するかどうか決めて告知することにしよう」
「やはり二郎の横では客をそっちに取られてしまってるんじゃないか?」
何だかあまり穏やかではない内容だ。
この店のオーナーさん・・・?
「おい、このカレーは何だ!不味いぞ!!」
と、ここで突然の罵声。
奥にいた一組の客が声をあげたようだ。
店員が向かう。
というか、カレー?ラーメン屋にカレー?
何だか珍しいな。
「なんだこのカレーは!家で作るのよりも不味いぞ!」
客の罵倒は続く。
店員は謝罪しながら、この店のカレーが何であるか、どういったコンセプトの下に作られているかを説明している。
そしてその様子を見ているオーナーらしき人たち。
何だか混沌としている店内だな。
変なときに来てしまったみたいだ。
店内は自分と、カレーを食べてる客と、隣テーブルのオーナーらしき人たちだけだった。
あ~、さっさと次のラーメン持ってきてくれないかなー。
それ食べて隣の二郎に行きたい。
そろそろ開店時間だし並んでおきたい。
と、ここで目覚める。
全部夢か・・・。
夢の中ならばラーメンを何杯食べてもそりゃ無敵状態だよね。
そして起きたと同時に腹痛でトイレへ。
まさか・・・夢で食べたラーメンと現実がリンクしていた・・・のか?
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