便器の中へ逃げ込む、そして流れゆく

誰しも「追われる夢」というのを見たことがあると思う。
それは人であったり、獣であったり、または他の何かであったり。
そして追い詰められることがしばしばある。
そんなとき、どうするのか。
追い詰められた場所がトイレだった場合はどうするか。
答えは簡単だ。

便器の中へ逃げる、である。

夢の中ならではの逃げ方。
今日僕はそんな夢を見た。
実は便器の中へ逃げるのは初めてではない。
もうかれこれ3~4回目である。
つまり、慣れているのである。

「便器の中への逃げ方?任せろよ。俺が指導してやるぜ!」(ただし夢の中だけ)

便器というのは、通常は糞尿を流すもの。
それは外に通じている。
ならばそれを使って外へ逃げることができるのではないか?(夢の中のみ)

今回、僕の場合でいうと、よく分からない変な人に追われていた。
そして最終的にトイレに逃げ込んだ。
このトイレ、実は毎回なのだが、昔住んでた家のトイレなのである。
幼少期を過ごしたその家の記憶がかなり残っているらしく、よく登場する。
鍵を閉めようとしてもしまらない。
いつものことだ。
僕は足を便器の中に突っ込み、水を流す。
けれど最初は失敗する。
うまく流れてくれないのだ。
人間を流すには水の勢いが足りないのか、もう一度貯水タンクを一杯にする。
そうしている間に追いつかれそうになる。
かなりの緊張感の中、もう一度水を流す。
僕は流れる。
下水を泳ぐ。
糞尿が見える。
でもこれで脱出できると思うと、一安心。
そんな夢。
もちろん夢だから汚くない。

ちなみに、前に見た便器の中に逃げる夢は、移動手段に使っていた。
2階から1階のトイレに行くのに、階段を使わずに便器の中を通って移動するという斬新な移動方法。
もちろんその逆も然り。
これも夢の中ならではの手段である。
便器の中に吸い込まれる瞬間が何というか、変な感覚なのである。

「あの狭い穴に人間が通れるわけないでしょ?」

普通に考えればその通りだ。
しかし、思い返していただきたい。
穴が狭ければ広げればいい、ということを。
そう、自分自身の生誕の瞬間を思い浮かべれば、そんな常識など打ち破れるのではないか?
僕達は、を通ってやってきたのだということを。
(何の穴かはここでは割愛する)

穴というのは、時に恐怖心を煽るものであり、時に神秘の象徴でもある。
けれど常識を打ち破って、こちらの味方にしてしまえば良いのである。(夢の中のみ)
そうすれば何かに追われていても回避することができるのだ。(夢の中のみ)
追い詰められた場所がトイレで、便器しかなくても絶望しないで。(夢の中のみ)
まだ君の傍には穴があるじゃないか。
希望という名の穴が。

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