親族の介護を手伝った話(22)~介護の終わりは、手続きの始まりだった

前回までのあらすじ

親族の介護を手伝うことになって早数ヶ月。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。寝たきりで要介護5。

特養への入所も完了したけど、病院に連れて行ったりとなかなか忙しい日々。
そして年末が近づいた頃、旦那さんの訃報連絡があり、施設で看取る。

葬儀も無事終わり、次は様々な手続き関連を処理していくことになる。

葬儀が終わってようやく一段落———とはいきません。

しなくちゃいけない手続きはてんこ盛り。期限が決められている手続きもあるので、休んでいる暇はありません。

が、ちょうど年末年始だったので、手続き関連は年始から始めようということになりました。

目次

さあ、手続きの対応が始まりますよ

年が明けて最初の平日。

特養施設との約束通り、連絡をしました。

結果、施設に置いてある旦那さんの荷物類の引き取りは数日後になりました。

年末年始で僕は実家に帰省していました。

その間に、葬儀屋さんからもらった冊子を読んで、必要な手続き関連を調べたりして、タスク化しました。

必要な手続き、区役所で取得する書類のピックアップ、誰が取得できるのか、委任状必要の有無などなど。

今回の手続き関連をするにあたって、厄介だったのが「僕は、旦那さんの配偶者でもないし、直系親族ではない」ということです。

本来であれば、旦那さんの直系親族である奥さんか長男さんが役所等に出向いて色々と手続きをしないといけません。

旦那さんの特養施設を決めるときも、同じような理由で大変な思いをしましたが、今回の手続きも同じ理由でまた大変な思いをすることになりました。

死亡診断書と銀行口座凍結について

ここでいったん話は先月———旦那さんが亡くなった直後に戻ります。

旦那さんを看取ったあと、往診の先生が「死亡診断書」を書いてくれて、そのコピーを施設の人から受け取っていました。

この「死亡診断書」のコピーが色々と必要になる機会が増えます。

まず、最初に2部使用することになったのですが、これは長男さんと長男さんの奥さんが仕事を休むために必要になるとのことでした。

忌引き休暇のために、証拠となる「死亡診断書」が必要とのことで、長男さんから連絡がきて葬儀前に送ってありました。(コピー原本をそのまま郵送でも良いし、メール添付やファイル共有サーバを介する方法もあります。自分は後者の方で対応)

そして、葬儀屋さんとの打ち合わせ時に言われたことがありました。

葬儀屋さんに言われたこと
  • 銀行窓口に行って「亡くなった」と言わなければ口座凍結されない
  • 死亡届を役所に出しても口座凍結されない

近年は、亡くなった人の預金から葬儀費用を捻出することが多いので、亡くなった人の口座からお金を引き出すことは法的に問題なし。葬儀費用は非課税。相続税も免除。
亡くなった人の口座を閉じる場合は、全ての手続きが落ち着いてからの方が良い。

ということを、葬儀屋さんから教えていただきました。

このことを知らずに、親族が死亡したからとすぐに銀行窓口に亡くなった旨を連絡してしまうと、その後の手続きが大変困難になります。まじで困難過ぎて誰かからお金を借りないといけなくなる可能性もあります。(実際にそういう人がいました)

旦那さんのお金の管理をしていたのは奥さんでしたが、公共料金や特養施設代や保険代等は旦那さんの口座から振替をしていましたし、口座が凍結してしまったらそれら全てが停止することになるので厄介なことになります。

更に注意事項として葬儀屋さんに言われたのは、亡くなった人の銀行がメガバンクであった場合、凍結後にお金を引き出すときに必要な手続きが大変困難になるとのことです。

実際に後々の話で法務局に行くことになるのですが、法務局に提出する書類と同等のものがないと、口座凍結している場合にお金を引き出すことができなくなるというがあります。(※メガバンクの場合)

昨今、詐欺やら何やらで銀行側もかなり厳しくなっているようなので、ここは要注意ですね。

しかし、銀行側も死亡している人に気付くケースもあるそうです。

銀行側が気づくケース
  • 年金停止後、それが2回くらい続くと「なぜ年金が入ってないんだろう?」と銀行側が気付く可能性あり。

そうなると、口座が凍結される可能性も高まります。

まあ、そうなる前に手続き終わらせるというのが1つの目安になりますね。(半年くらい)

年金に関すること

親族が死亡したら、早い段階で年金の停止申請をすることになります。
手続き冊子等には「1週間以内または2週間以内に手続きを終わらせる」とか書かれていることが多いです。

しかし、焦ることはありません。

なぜなら、家庭の事情によっては2週間以内に手続きを終わらせることが不可能なこともあるためです。

例えば、今回のように旦那さんがなくなったのが年末の場合、年末年始で役所もやってない、どうしても書かれている期日までには手続きを完了できないということもあるでしょう。

または、残された配偶者が1人暮らしで身体が不自由だった場合、すぐに動けないかもしれません。もしくは、親族が亡くなったことによって、悲しみが深くて動けないということもあるでしょう。

条件や状況は家庭ごとに違います。そういうことにも役所等は考慮してくれるので、柔軟に対応してもらえます。

冊子等に書かれている「〇日以内に手続きを終わらせる」というのは、あくまで年金振込を抑えるために書かれているだけであって、仮に余分に次の月に振り込まれたときでも、その分を戻せば問題はありません。

「年金停止の手続きが遅れたため、年金が振り込まれましたが返金します」は全く問題がありません。その返金が再来月になったとしても問題はないそうです。

要は、着服したら犯罪なのです。

手続きの行き違いで年金が振り込まれても、きちんと返金すれば何も心配はありません。なので、焦らずきちんと計画を立てて葬儀後の手続き関連をしていくことをお勧めします。

ある程度心の余裕がないとミスも増えてしまいますからね。

特に高齢者はせっかち人間が多いので、ドン!と構えて手続きをしていくのが良いと思います。

特養施設に荷物の引き取りに行った

さて、話を戻します。

予定の期日となったので、特養施設に旦那さんの荷物を引き取りにいきました。

当日は、奥さんから必要な物だけを聞いて僕が施設へと赴くことになりました。

奥さんから頼まれていた必要な物
  • キャリーケース
  • 毛布1枚
  • タオルケット1枚

上記の物以外は、もし可能なら施設に寄付・処分してほしいと頼まれました。

施設に着いて窓口へ行くと、すぐに荷物置き場に案内してもらえました。

旦那さんが使っていた部屋にはすでに別の介護対象者がいるそうなので、荷物は全く別の場所に移されていました。

誰かがいなくならないと特養施設の部屋は空きが出ません。だから「いつ頃になったら入所可能です」とは言えない、という過去に施設の人に言われた言葉が身に沁みます。

持ち帰る物以外は、寄付にしたい(もしくは施設側で処分可能か)という旨を施設の方に相談。

施設の方

大丈夫ですよ。むしろ寄付していただけると助かります。

とのことなので、寄付することになりました。

未使用の塗り薬とか未使用の靴下やタオル類もあったので、施設側に全部引き取っていただけて良かったです。(ごみに関しては袋1つまでに納まるなら施設側で処分可能とのこと)

施設代の支払い

施設の利用料金ですが、いつも通り月末に郵送で請求書等が送付されてくるそうです。

旦那さんが亡くなってからもしばらくは部屋代が発生していたので、その分も含めて請求がくるそうですが、時期が年始に突入してしまっていたので、あと2回請求がくるとのこと。

施設代の振替は旦那さんの銀行口座だったので、もしも口座凍結が発生してしまった場合も考えて、振替先を変更できないか聞いてみました。

施設の方

わかりました。では、月末請求時に振込先が記載された用紙も同封しますので、そちらに振込お願いします。ただし、名義人は分かるようにお願いします。

振込はネットバンクからする予定だったので、その際に振込名義人が変更できるので奥さんの名前にすることを忘れないようにしないといけません。

手続きをしていて思うこと

という感じで、しばらくは大量にある手続き云々について書いていきたいと思います。

これを書いている現在、手続きの9割は終わっていますが、思っていた以上に時間がかかります。

とても高齢者1人では厳しいなと感じることが多々ありましたし、平日に動くことも増えますし、親族の協力も必須になるし、それによっては手続き期間が延びることもあると思います。

後々書くとは思いますが、今回の手続きを進めていくと知らなかった知識がどんどん増えていき、大変勉強になります。それと同時に、早い段階でこういう手続きに繋がる事柄に対しての対応策も考えておかないといけないなと思いました。

要は終活みたいなものも若い時から進めておかないと、いざ必要になったときに残された家族が大変な思いをすることになります。

それと、自分の友人や知人にも家族と疎遠になったり、連絡を取ってない人、勘当された人、縁を切ったという人がいますが、血縁関係がある限り後々の手続きで大変な思いをするということを覚えておいてほしいです。目に見えないしがらみというやつですね。

今ですら面倒な手続きだと思うのに、身体が衰えた老後にこの手続き云々を行うというのは、想像しただけでしんどいと思います。

まあ、大金だしても良いっていう人は、代理人にやってもらうのもありかと思いますが、本人じゃないとできないこともいくつかあるのでそこがまた厄介なことになるかと思います。

将来的に色々と進化して効率化されていけば自宅から出ないで全部手続きできるよ!ってなるかもしれないので、そんな未来がくれば良いなと願っています。

次回も手続き云々について書いていこうと思います。

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