親族の介護を手伝うことになって早数ヶ月。
介護対象者は70代老夫婦の旦那さん。寝たきりで要介護5。
特養への入所も完了したけど、病院に連れて行ったりとなかなか忙しい日々。
そして年末が近づいた頃、施設から連絡があり、旦那さんの呼吸が停止したと———。
旦那さんの訃報連絡で施設に赴き、旦那さんの呼吸停止を確認して施設から帰宅。
さっそく葬儀屋さんに連絡を取りました。

葬儀屋さんに連絡をする
葬儀の段取りを決めるため、まずは葬儀屋さんに連絡をする必要があります。
前回、奥さんが事前に会員登録をしていたと言っていた葬儀屋さんに連絡をしました。葬儀屋に連絡をする機会なんて初めてなので少し緊張しましたが、会員になっていることを伝えると、話しがスムーズに進みました。
基本的には、家族の誰かが亡くなったらすぐに連絡をした方が良いと思います。(後々の優先順位が変わってくるため)
- 翌日の午前10時~11時に特養施設にきてもらえる。
- 遺体を乗せて見送った後に奥さんの自宅で打ち合わせ。
- 火葬料金。(地域ごとで違います)
- 死亡診断書(死亡届が対になっているのでそちらに家族側が記入)
ここで初めて知ったのは、火葬料金が地域によって金額が全然違うということ。
料金は本当にピンキリで、5万円以上のところもあるそうです。恐ろしや。気になる方は、自分の住んでいる地域の火葬料金を事前に調べておくことをお勧めします。
でも火葬料金くらいなら、役所に申請すれば後ほど葬祭費還付金として少し戻ってきますのでそこまで深刻に考える必要はありません。問題は葬儀代の方ですから…。
死亡診断書は、医師が遺族の死亡を確認したときに書いて渡してくれる用紙です。死亡届も一緒になっているので、そちらに家族が記入をしないといけません。役所に提出するためです。
葬儀屋さんとの打ち合わせまでに書いておいてくださいとのことですが、分からなければ葬儀屋さんが一緒に書いてくれますので安心してください。
特養施設での看取り
翌朝、朝一で特養施設に向かった僕は、例のごとく近隣駅での急病人発生により電車遅延でギリギリに着くことになりました。
施設に着くと、既に奥さんは旦那さんが寝ている部屋に入っていました。
「良い死に顔だね。よく生きた、頑張ったね」
奥さんはそう言い、旦那さんの顏をペシペシと軽く叩いていました。
それから奥さんと施設の人に、昨夜葬儀屋に連絡して決まったことを伝えました。
「遺体を乗せて見送ったあと、いったん奥さんの自宅に帰ります。そしたらお昼前に葬儀屋の人がくるので、今後の打ち合わせをする手筈になっています。」
僕は奥さんにそう説明していると、往診の先生が到着しました。
先生は聴診器を取り出し、心音の確認をして、眼の瞳孔をペンライトで確認します。

〇時〇分、旦那さんの死亡を確認しました。
「ありがとうございました。」
奥さんと僕がそう言うと、先生は死亡診断書をささっと書いて部屋から出ていきました。(死亡欄には老衰と書かれています)
これにて、看取りは完了です。



死亡診断書はコピーを取って後ほどお渡ししますね。何枚くらいコピーしましょうか?
と言われるものの、どれくらいの枚数を使うことになるのか分からなかったので、5枚だけコピーしてもらうことにしました。
看取りは15分ほどで終わり、あとは葬儀屋さんが到着するのを待つだけです。
10時~11時くらいということだったので、その間の空いている時間に奥さんと色々と情報共有をしておきました。
お見送りが終わり、施設をあとにする
葬儀屋さんは思っていたよりも早く到着して、10時前には遺体を運ぶ準備が終わって、お見送りが終わったのが10時15分くらいでした。
遺体が運ばれていく間、霊柩車に乗って見送る間、施設の人たち総出で対応してくれました。
玄関先で遺体を見送るのは僕と奥さんだけかと思いきや、施設の人たちが玄関先に並んで一緒にお見送りしてくれたことには驚きました。
お見送りを終えて、僕と奥さんは施設の方々に感謝を伝え、帰路につきます。
ただ、ちょうど年末近くだったため、年が明けて1週間後とかに連絡でも大丈夫なのかを聞きました。



全然大丈夫ですよ。ご連絡お待ちしております。
優しい世界。
正直なところ、初めて尽くしなのでどれくらいの日数がかかるのか分からないし、年末年始という時期もまた不確定要素の1つだったので、施設への連絡は出来る限り余裕をもって遅めにしてもらいました。
まあ、その間も部屋代は発生してしまうのですが、これは仕方がないことです。
葬儀内容と費用
お昼ご飯を買って、奥さんの自宅にお邪魔しました。
葬儀屋さんとの打ち合わせ時間はあと30分後。その前にささっとお昼をすませてしまいます。
そして、死亡届に記入をして、葬儀代の予算もあらかじめ奥さんに聞いておきました。
- 家族葬で良い。家族以外呼ばない。
- 安ければ安いほど良い。お金は極力かけたくない。
- もらったパンフレットには「30万円~」と書いてあるのでそれくらいだと嬉しい。
長男さんも葬儀代については心配していたので、僕もオプションなど余計なものは付けずに、安く安くを念頭に置いて、奥さんの要望を叶えつつ葬儀屋さんとの打ち合わせに臨みました。
そして鳴るインターホン。
どうやら葬儀屋さんが来たようです。
葬儀の打ち合わせが始まる



この度は心よりお悔やみ申し上げます。
ついに始まりました。葬儀の段取り打ち合わせ。
絶対に低価格で葬儀費用をすませるようにするんだからねッッ!!
葬儀の話の前に、火葬料金と死亡診断書(死亡届付)をお渡しします。
いわずもがな火葬料金は、斎場で火葬するために必要な金額です。
あらかじめ葬儀屋さんに渡しておけば、火葬の手続きと、死亡届の手続きを済ませてもらえます。家族は区役所に行っている時間なんてないので、これは大変助かりますね。
打ち合わせ項目 | 内容 |
火葬について | 中4~5日ほどで日程調整。(約1週間) 火葬代は打ち合わせ時に支払い済み。 |
死亡届について | 葬儀屋さんが区役所に届けてくれる。 10~14日以内に戸籍から除籍される。 |
斎場休憩室について | 3人以上だと5,000円。食事を用意する場合は料金追加。 打ち合わせ時に支払いをする。領収証は当日。 |
斎場までの移動手段について | 斎場までは遠く、山の上にある。 ジャンボタクシー使用(9人乗り)。往復送迎可。 帰りは指定した場所で降ろしてもらえる。一律71,500円 |
遺体の安置所 | 葬儀屋さんの所。面会は電話にて事前予約制。 1回1時間程度。面会時間帯も決められている。 遺体の保管料は1日11,000円。 |
遺影について | 写真を用意すれば作ってもらえる。 サイズ・枠の色・背景色・着せる服等。 1番安いタイプで11,000円。 |
遺体の保存について | ①ドライアイス(8,800円/日)、防腐剤(27,500円/日) ②↑にプラスで納棺師によるケア。日数は選べる。(66,000円/日) ③エンバーミング。化粧等も含む。(220,000円)※エンバーミングをすれば①②は必要なし ※葬儀まで7日間あったので③になった。 |
葬儀代の支払いについて | 後日。現金は振込。 クレジットカードは葬儀社へ直接行って支払い。 |
最初、葬儀の希望日を提案されるのですが、回答を後にしてもらおうとすると、



葬儀日については早い者順となっていますので、今この場で決めてもらった方が良いと思います。他の方から連絡が来次第、どんどん予定が埋まってしまいますので。
と言われてしまいます。
どうやら、この打ち合わせ前にも別の家庭で葬儀の打ち合わせがあったらしく、この後も葬儀の打ち合わせが入っているらしいのです。そのため、連絡がきた人を優先で決めていくシステムとのこと。
というか、そんなにたくさん亡くなっているんだなと。
長男さんからは、葬儀日程はいつでも大丈夫と事前に言われていたので、奥さんの予定も聞いてその場で答えを出しました。
結果、葬儀(火葬含む)は1週間後に決定しました。
葬儀費用の内訳
ということで、葬儀日程が決まりました。
そしてやっぱり葬儀代は、パンフレットに書かれていた30万円では収まらず、約80万円という高額になってしまいました。
これでも必要ないものは極力削ったんですけどね。
途中、奥さんにどうするかを聞きながらやりとりをしていましたが、奥さんの解答がふわふわな感じで大変でした。ハッキリ要らないと言ってくれるものもあれば、「どうしたら良いかなぁ、うーん」と言われるものもあったり。
色々悩んでも費用を出すのは奥さんなので、奥さんが必要なら有り、必要ないなら無しでテキパキと決めてもらえると楽でしたが、なかなかそう簡単にはいかず。
打ち合わせに来ていた葬儀屋さんも、僕が「これは必要ないんじゃないですか?」「できるだけ費用を削りたいです」という意見に良い顏はせずでした。
こういうのを考えると、生前に家族間で「自分が亡くなったときの葬儀について」話し合っておくことも大事かと思いました。もしくは葬儀について遺言書を残しておくとか。
一番やりとりで時間がかかったのが、遺体の保存方法ですね。ここがかなり価格が跳ね上がる場所です。
遺体の保管料が1日11,000円。葬儀までの1週間分だと、
ドライアイス(8,800円/日)は必須ということで、それだけで葬儀までの1週間分だと、61,600円。
遺体への防腐剤(27,500円/日)は必須ではないけど、2日に1回処置しないと遺体の匂いなどが酷くなると言われました。ドライアイスを毎日しているから平気なのでは?と質問しましたが、ドライアイスだけでは無理があるし、本当なら毎日防腐剤が必要とのこと。
本当なのかなと思いつつも、真実は分からないので2日に1回防腐剤を使用するとなると、82,500円。
納棺師によるケア(66,000円/日)も必須ではないが、1~2回は付けることを強くお勧めされました。遺体の目や口が開いたりするのを防ぐためだとか。で、仮に2回納棺師のケアプランを付けると、132,000円。
276,100円!?
高すぎでしょ。



エンバーミングという処置をすれば、ドライアイス、防腐剤は不要となります。納棺師のケア、化粧等などを含んで220,000円で可能になっています。
「じゃあ、エンバーミング処置でお願いします。」
っていう流れになるのが自然ですよね。
もうそういう流れにしかならない料金設定の方法ですよね。ドライアイスも防腐剤も本当に1日そんなに高い価格なのだろうか、原価どれくらいだよって思いますが、それらの言葉は全て飲み込みます。商売だから仕方がないか。
ここまでで297,000円(77,000円+220,000円)。これに基本プラン料金(会員割引)が319,000円が追加。
この時点でパンフレットに書かれていた最小価格は超えまくりです。
この3つが足されます。これら全てを足して消費税数万円が足されると、約80万円という金額になってしまいます。
これが最小プランですね。
- 斎場への移動手段は自分たちで用意する。
- 斎場へ行って火葬して終わる直火プランにする。
- 遺体の匂いも腐敗も変形も気にしない。
このプランならもう少し費用を抑えることが可能かと思いますが、親族からバッシングが出る可能性も高くなります。
つまり、葬儀を30万円台で行うことは、ほぼほぼ不可能ということが残念ながら分かりました。
まとめ
葬儀内容が決まると、その場で請求書を出してもらえます。(支払いは全部終わってからの後日)
請求書は必ず確認しましょう。間違えている可能性もあるので!後々揉めないためにも隅々まで目を通しましょう。
- 葬儀は1週間後。
- 葬儀費用を30万円以内で行うなんて夢物語。
- 葬儀費用はぼったくり価格。でも受け入れるしかない。
- 人間は死亡してもお金がかかる生き物。
- 葬儀屋さんは大変な仕事だし、家族側も大変。
- 生前、葬儀については家族間で話し合っておくが吉。(なかなか難しいとは思いますが…)
次回は、遺影写真の手続き+葬儀当日について書きたいと思います。
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