物価は上がるのに給料が増えないから起きること(飲食店編)

5月の、世間ではGWと呼ばれている連休中に、定食屋で食事をしたんです。

飲食業っていうのは割りに合わないほど忙しい。
特に休日。
これで時給が850~1000円!?
あいつなんてPCの前に座ってネットサーフィンしているだけで時給1200円だぞ!?
なんだこの不条理な世界は・・!

って思うくらい忙しくて割に合わない。


とまあ、飲食店が忙しいのは世間で知られている通り。
そんな中、一人の青年が店長にお休みをお願いしていました。

店長

なに?5連休!?何言ってんだ、お前!

店長に怒られる青年。
「俺だって休みたいのに5連休をくれだと!?」という店長の心の声が聞こえてきます。
イライラしながら食事を作る店長。

店長

ああ、わかった。じゃあ、5連休やるから6月15日まで休みなし!

そう店長は言い放った。
言われた青年は苦笑い。
それから店長は口を開かずにせっせと食事を作っていた。


しばらくその状態で立っていた青年だったが、目が店長を睨みだしていた。
その様子に店長も気づいているようだが、何も言わない。

青年「やってらんねーよ!アホか!」

その青年の怒りの声に店内が静まった。

店長

営業中だぞ。静かにしろ。早く仕事に戻れ。

店長は青年を見ずにそれだけを言った。

青年「戻らねえよ!何が6月15日まで休みなしだよ!?お前できんのかよ?」

従業員さん

○くん、落ち着いて!ちょっとあっちに行こう

別の従業員さんが止めに入る。
そんな間にも新規の客は入ってくる。
大変だな、従業員さんたちも。

青年「わかったよ、そう言うなら5連休なんていらねえよ!もう辞めっから!お疲れ様でした!」

そう言い放つと青年は去っていた。

店長

待てや!!!

今度は店長の怒声が響き渡る。
店長は青年を追いかけた。
こちらからは見えないが、店長と青年が争う声が聞こえる。

青年「うるせえよ!もう辞めんだよ!やってらんねーよ!」

バチン!!!
頬を叩く鋭い音が聞こえた。

青年「痛ぇな・・・!何すんだテメー!!!!」

青年の声。
これは殴り合いになるのかな・・・?

店長

殴れ!!わしを殴れ!!!今叩いた分、殴り返してみろ!!

!?

青年「言われんでも殴るわ!!」

ドゴッ!!
今度は鈍い音が聞こえた・・・ような気がした。
でもきっと殴ってる。
それからしばらくは物が当たる音とか罵声とかが聞こえてきました・・・。

店長

痛ぇか!?

青年「痛ぇよ!テメーもう許さねえぞ・・・」

青年がマジギレ・・・!?
これはやばいんじゃ・・・!?

店長

痛ぇなら見てみろ!お前の手の甲を!!

青年「俺の・・・手・・・?」

店長

血まみれじゃねえか・・・皮剥けちまって・・・。
せっかく料理覚えたっていうのに・・・

青年「うるせえよ!もう辞めんだから関係ねえんだよ!」

店長

まだそんなこと言ってんのか!料理人になりたいって夢はどうした!!
その皮が剥けた痛々しい手で料理作んのか!?

青年「う、うるせーよ!!もう料理なんて作らな・・・」

バチン!!


でかい音が響いた。
頬を叩く音なのだろうが、僕なら吹っ飛びそうな音だ。

店長

バカやろう!!嘘つくんじゃねえ!!
そんな手になってもお前は・・・まだ握ってるじゃねえか!包丁を!
まだ料理を作りたいって言ってんじゃねえか!その手はよ・・・!!

何か店長の罵声が後半少し優しくなったような気がする。
まさか泣いて・・・!?

店長

人を殴って手を傷つけようと、お前が料理を作るのを辞めようとしても、その手は料理を作りたがってるじゃねえか!
離そうとしねえじゃねえか!包丁を!

青年「違ぇよ」

コトッと音がした。

青年「この包丁は・・・お前を刺すために離さなかったんだよ」

「キャアアアアアアアア・・・・!!!!」

その場にいた他の従業員が声にならないような叫び声をあげた。
人が倒れる音がした。
思ったよりも重い音だった。

従業員さん

き、救急車を・・・!早く!!救急車を呼べえーーー!!

従業員達はパニック状態。
店内も騒然。
それでも、もくもくと食べる客。
騒ぎに乗じて金も払わず立ち去る客。
携帯電話を離さずいじり続ける客。
野次馬のように群がる客。

のどかな昼下がりには似合わない赤黒い色が厨房の床を染めていた。
悲しい事件はいつも、ほんの些細なことから始まる。
そう改めて思い知った日。

もちろん、8割フィクションです。
安心してください。

↑この記事が気に入ったら いいね!ボタンを押して頂けると今後の励みになります!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメントを残す

コメント一覧 (6件)

  • 青年が「5連休ほしい」と言って、店長にダメと言われ
    勢いで辞めちゃったとこだけがノンフィクション?
    でしょうか。(笑)

  • まかないさん、こんばんは。
    さすがの私も、途中からフィクションって気付いたけれどネ。
    ちょっとドキドキしたり、8割フィクションって文字を読んだときホッとしたり・・・
    でも、実際そんなこともあるかもしれないね。
    店長キャラは、どうか知らないけど。。
    飲食業の皆様、休日も返上でお疲れ様です。

  • まぁ青年出てくるあたりからフィクション臭さただよってたよねヽ(´ー`)ノ

  • ぬまおさん>
    それから店長は口を開かずにせっせと食事を作っていた。
    までノンフィクションです。
    テルさん>
    ほんと飲食店で働く人は命を削っている気がします。
    これ、フィクションじゃなかったらテレビで放送されますよね・・・。
    ゲンザイさん>
    近い!!
    なあなさん>
    いやいや、青年は本当にいたんですよ・・・。
    しかし早々見抜かれるとは・・・ちょっとくやしい。
    でも青年はいた。
    ともっちさん>
    事実は小説より奇なりです。

コメントする

目次