前回の記事で、弊社にボーナス(賞与)があることは、知っていただけたかと思います。

今回は、ボーナス繋がりでもう一つ。
弊社にある「臨時ボーナス」について、ご紹介したいと思います。
臨時ボーナスが設置された経緯
弊社の臨時ボーナスは、最初からあったわけではありません。
F社長に代わって数年経った頃に設置されたものです。
F社長による給料面での改悪の後、定着しない新入社員、給料面に対して不満を募らせる社員たちの救済処置として考え出されたものです。
元々、F社長は給料面の変更をする気はなかったのですが、以下の2点の理由を良しと思わなかった管理職の方々が、F社長に訴えかけて、社員の定着とモチベーションアップのために何とか実現されたという話を聞きました。
・給料と仕事量の釣り合いがとれずに、退職を検討していく社員が増えてきたこと。
・面接時に給料面の話を聞いて辞退する人が増えてきたこと。
「何とか」と表現したのは、結局のところ、F社長は自分が決めた給料設定を変えることは絶対にしないのです。
むしろ、



私が決めた会社規定に意見をするとはどういう了見だ?
ということになって、管理職の方々と荒れた話し合いになってしまったらしいです。
結果、落としどころとして給料面の変更はせずに、新しく「臨時ボーナス」を設置したということでした。
臨時ボーナスの内容
臨時ボーナスが設置されることになり、F社長から全社員に対して正式発表がありました。



今年度から新たに臨時ボーナスを支給することになりました。
ただし、全社員に支給されるわけではありません。
条件がいくつかあり、それらを達成した社員に対して、会社から少しばかりではありますが、金一封という形でお渡ししたいと思います。
ん・・・?
条件達成・・・?
いきなり、不安ワードが出てきました。
・年度末に対象者にだけ支給される。(年1回のみ)
・売上目標を達成し、更に大きな貢献をした者。対象者は各部署で1名とする。
・会社の今後のために、売上げ向上に貢献するアイデアを出し、それを実施して売上げをあげた者。
そしてこれらの条件を達成し、めでたく臨時ボーナスの対象者になった人がもらえる金額は・・・!
1万円~3万円!!
これ、社員のモチベーション上がります?
言わずもがな、臨時ボーナス支給の知らせを聞いた社員たちからの期待感は、一気に萎え萎えモードに突入。
F社長は、発表中に終始ドヤ顏でした。



社員のために作った新制度、これでみんなのモチベーションも上がるし、今後の求人面接時に会社の方針としても言えることが増えた。
弊社は社員への還元を第一として考えている素晴らしい会社だと思ってもらえることだろう。
何より、新制度を設立したという実績で、私自身への評価にも繋がる。
とか本気で思っていそうで怖かったです。
怖いというか、引きました。
しかし、不満の声を社員は口にすることはできません。
いくら内容が酷かろうと、F社長に対しては笑顔で持ち上げることしかできません。
そしてF社長に感謝の言葉を贈るのです。
「社員のために新制度を設立してくれて、ありがとうございます」と。
社員にとって嬉しくない新制度は社長の評価の道具となる
こうしてまた、新しい制度が設立され、F社長の評価の一つとして刻まれるのです。
一度設置された制度は、おいそれと覆ることはありませんし、変更されることがあるとすれば、それはF社長の気分次第になるわけです。
良いか悪いかは置いておき、社長の実績としては残るのです。
そして、もしも今後社員から気に障ることを言われたときは、設立してきた制度を引き合いに出し、



私は、今まで社員のためになることしかしていない。
それなのに、そんなことを言われるのは心外だ。
こんなことなら、毎晩寝不足になるほど真剣に考えるんじゃなかったよ。
という自分を守るための口実にも使われていくのです。
管理職の方々は、こうした結果を受け、今後は給料の件でF社長に相談するのを諦めたそうです。
もちろんそれは管理職ではない社員たちも同じく、「給料面の改善は不可能に近いので、不満があるのなら他の会社に行くしかない」と考えるきっかけになった出来事の一つでした。


コメントを残す