インフル流行の兆しでマスクをしたら浮いた

11月下旬頃に街を歩いていると、マスクをした人をよく見かけるようになった。

12月に入ると、その人数は明らかに増加した。

風邪を引いている人もいるのだろうが、きっとインフルエンザの予防かなと。
何か今年（来年？）のインフルくんはヤバイらしいと聞いたので・・・。

僕も親に、今年はワクチン注射を受けておくように何度も言われました。
そして受けようと思った矢先に、風邪をこじらせてしまったのですが、風邪っぽくてもインフルエンザの予防接種って受けていいのかな？

まあ、そんな僕も今日からマスクをしてみることにしました。
春じゃないのにマスクマン。
新鮮です。（普段は花粉の時期だけマスク）

———が、なぜか今日に限ってマスクをしている人がいない。

なぜ？

そして気づく。
・・・ああ、そうか、そういうことか。

つまり、僕を世間から浮かせるために仕組んだ大掛かりな計画ってことだ。
マスクの人口を増やす、インフルネタを流す。
僕が気になり始める。

「こんなにマスクしている人が多いってことは、予防した方がいいんじゃないか？電車の中は人が多いし、誰が風邪なのか分かったもんじゃない。風邪を引いてからじゃ遅いわけだし・・・よし、明日からマスクをしていこう」

僕は決めた。明日はマスクをして出かける。
翌日、マスクをして意気揚々と外出する僕を見た奴らは言う。

「ターゲット、今家を出ました。はい、しています。ターゲットはマスクを着用しています！」

「よし、全員ご苦労だった。マスクをはずすんだ」

「了解」

次々に広まるマスク解除号令。

「あ、マスク解除だって。やっとターゲットがマスクしたみたいだよ。意外と長かったね」

「そうだね。でも見てみたいな～。ターゲットが周りから浮いている表情。あ、マスクしてるから分からないか。ハハハッ」

マスクをはずし、意気揚々と語り始める彼ら。

「く、くやしい・・・！！マスクの白が今日は嫌に浮いているじゃないか」

僕は叫んだ。心の中で。
そのとき、携帯がメールを受信した。

「次はあなたも参加してみませんか？次のターゲットは・・・」